【東京聯合ニュース】日本政府が、東京の寺に残る高麗大蔵経の木版印刷物を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に推薦することを決め、韓国で波紋が予想される。
文部科学省によると、日本政府は先ごろ世界記憶遺産への登録を申請する候補として「増上寺が所蔵する三種の仏教聖典叢書(そうしょ)」と「広島原爆の視覚的資料―1945年の写真と映像」の2件を選定した。登録の可否は2025年のユネスコの審査で決定される見通しだ。
増上寺の三種の仏教聖典叢書は中国・南宋時代(12世紀)と中国・元時代(13世紀)、朝鮮・高麗時代(13世紀)に大蔵経の木版で印刷した仏教印刷物だ。
文部科学省はこれらの印刷物について「江戸幕府を創設した徳川家康が収集し、増上寺に寄進したもの」とし、「多くの大蔵経が王朝の変遷や戦乱により散逸するなか、15世紀以前に作られた三つの大蔵経がほぼ完全な状態で所在されていることは世界で他に類を見ない」と登録申請の背景を説明した。
世界記憶遺産はユネスコが貴重な記録物を保存、活用することを目的に価値のある資料を選定するもので、他国に起源を持つ記録物の登録申請も可能だ。だが、韓国を代表する文化財のひとつである高麗大蔵経の木版印刷物を日本がユネスコに登録申請することを巡り、韓国の仏教界などから反発が起きそうだ。日本は21年に増上寺の三種の仏教聖典叢書を世界記憶遺産に推薦したが、登録が見送られていた。