パキスタンで、一族の名誉を失墜させたという理由で行われる「名誉殺人」がまたも発生した。今回は、16歳の娘が同じ年ごろの男性アイドルとダンスをしたという理由によるものだが、その様子を収めた動画は操作されたものであることが分かった。
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27日(現地時間)に「タイムズ・オブ・インディア」など外信が伝えたところによると、パキスタン北西部、カイバル パクトゥンクワ州コヒースタン地域の警察は同日、殺人の疑いでA容疑者を逮捕した。A容疑者は今月24日、自宅で16歳の娘を複数回銃で撃ち、殺害した疑いが持たれている。
A容疑者は、娘が別の女友達1人と一緒に男性アイドルとダンスをしている動画を見て、犯行に及んだ。容疑者は、村の長老たちで構成される元老会が、動画に出てくる2人の少女を殺せという命令を下したことから、娘に銃を向けたと伝えられている。
しかし調べによると、事件発生の4日前にソーシャルメディアにアップロードされた問題の動画は、操作されたものであることが分かった。警察は、既に殺害されたA容疑者の娘と共に動画に登場する友人を保護する措置を取った。また、殺人を指示した元老会の関係者らを逮捕するため、行方を追っている。
名誉殺人とは、一部のイスラム圏の国において、一族の名誉を汚したという理由で父親や兄など家族の構成員が女性を殺害する悪習のこと。特にパキスタンは2018年現在、人口当たりの名誉殺人の発生件数が最も多い国で、パキスタン人権委員会(HRCP)の集計によると毎年およそ1000人の女性が名誉殺人で犠牲になっている。
今回の事件が発生したコヒースタン地域では、2011年にも、ソーシャルメディアで男女が交わっている動画を見た元老会の指示により、罪のない5人の少女が命を奪われている。こうした弊習を防ぐために、パキスタン政府が「懲役25年以上」に処罰を強化する法律を2016年に成立させたが、依然として名誉殺人は根絶されていない。
ムン・ジヨン記者