【ソウル聯合ニュース】北朝鮮軍が2018年の南北軍事合意を受けて撤去した非武装地帯(DMZ)にある監視所(GP)の復元を始めたことを巡り、韓国軍当局は北朝鮮がGPの復元に加え、軍事境界線上にある板門店の共同警備区域(JSA)を再武装する可能性を注視していることが27日、分かった。
GPの破壊とJSAの非武装化は、軍事合意の「象徴的な措置」と評価され、南北の軍事的な相互信頼を示す措置だった。GPの復元作業を進めている北朝鮮がこれと連携してJSAの再武装を進める可能性が提起され、南北の信頼関係が損なわれるとの懸念が出ている。
合意を受け、北朝鮮は18年11月に監視所10カを撤去。1カ所については建物は保存したが、兵力や装備を撤去した。
この措置により、北朝鮮軍がDMZ内で運用するGPは150カ所に減った。韓国軍も約60カ所のGPを運用していたが、合意により約50カ所に減らした。
しかし北朝鮮の国防省は今月23日の声明で、南北軍事合意に基づき停止していたすべての軍事措置を再開すると発表。「地上や海上、空中などすべての空間で軍事的な緊張と衝突を防止するため取った軍事的措置を直ちに撤回し、軍事境界線地域により強力な武力と新型軍事装備を配備する」と表明した。
韓国軍によると、北朝鮮は声明発表の翌日から11のGPに兵力を投入し、臨時警戒所を設置して重火器を搬入するなど復元を進めているという。
韓国軍が27日に公開したDMZ北側の写真には、GPを撤去した場所に臨時警戒所を建て、重火器を搬入する様子が収められている。
韓国軍当局は、北朝鮮のGP復元に対する相応の措置を準備しているという。特に北朝鮮がGP復元と連携してJSA再武装を進める可能性が高いとみている。
南北は18年10月25日付でJSAのGP、兵力、火器をすべて撤収した。
設置されていた監視カメラの位置が調整され、韓国、北朝鮮、在韓国連軍司令部による共同検証作業が終わってからは南北それぞれ約80人いた軍人は35人ずつに減り、いずれも非武装で勤務している。