【NEWSIS】元米政府関係者が「韓国は戦略的にも財政的にも原子力潜水艦を保有しない方がよい」と主張した。
ドブ・ザカイム(Dov Zakheim)元米国防次官は24日(現地時間)、米国の政治専門メディア「ザ・ヒル」に寄稿を掲載し「韓国に原子力潜水艦は必要ない」とした上で上記のように主張した。
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韓国軍合同参謀本部議長に指名された金明秀(キム・ミョンス)氏は先日の国会人事聴聞会で「(原子力潜水艦の導入は)軍事面での効用性が十分にある」と証言したが、これについてザカイム氏は「現在の韓米原子力協定は原子力の軍事利用を制限している」と反論した。
ザカイム氏は「韓国の主要な政党や一般国民の間では原子力潜水艦の確保を強く求める声が高まっているようだ」とした上で「(韓国)政府はこの種の誘惑に惑わされてはならない」との考えを示した。
ザカイム氏によると、韓国が原子力協定を回避し、原子力潜水艦開発に乗り出すことは可能だという。ブラジルが行ったように、フランスの支援を受ければ原子力潜水艦の建造は不可能ではないことだ。
ただしザカイム氏は「それでも韓国は原子力潜水艦開発を進めるべきでないいくつかの理由がある」と主張した。
まず今年4月に尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とバイデン大統領によるいわゆる「ワシントン宣言」により韓国に対する米国の核抑止力は一層強化されたが、この点をザカイム氏は強調した。その上でザカイム氏は「もし『原子力利用は民間に集中する』という古くからの約束を回避しようとすれば、これは両首脳による合意の精神に反するものとなり、韓米関係の分裂を招くだろう」「そうなれば北朝鮮を利するだけだ」と指摘した。
財政的な側面でも韓国による原子力潜水艦開発は大きな負担をもたらすという。韓国はすでに新型空母の建造を計画しており、資金面での余裕はさほどない。そこからさらに原子力潜水艦を常時運用するには少なくとも3隻を建造する必要があるため、国防予算が大幅に膨れ上がるというのだ。
また韓半島周辺海域は比較的水深が浅く、原子力潜水艦よりも韓国がすでに保有している在来式潜水艦の方がより適している点にも言及した。
ザカイム氏は「費用面や技術面、戦略面での現状は全て韓国による原子力潜水艦獲得には否定的だ」とした上で「それでもまだ保有したいのなら、核の傘強化という先日の米国との約束が、この問題に終止符を打たねばならない」と主張した。ザカイム氏は「核の傘は以前から韓国に提供されており、今も抑止力において必須のものだ」とも言及した。
イ・ユンヒ特派員