法定最高金利引き下げの逆説…韓国の庶民100万人が違法貸金業者に殺到する事態に

 韓国政府は2021年から優良貸金業者が銀行から低金利で資金を調達することを容認したが、有名無実の状態だ。優良業者とされたC社の代表は「銀行が貸金業者に融資すれば評判が悪くなるという理由で融資を拒否している」と話した。

 貸金業者の経営難が深刻化し、廃業が加速している。金融監督院によると、08年の金融危機直後、1万6000社を超えていた貸付業者数昨年末には約3分の1の5582社に急減した。

■違法貸金業者に殺到する庶民

 貯蓄銀行も不動産のプロジェクトファイナンス(PF)の不良債権化と景気悪化などで健全性管理が課題となり、低信用者への融資を減らしている。5大貯蓄銀行の今年4~6月の不良債権は2兆5070億ウォンで、昨年末(1兆7979億ウォン)より7091億ウォン(39.4%)増えた。中小貯蓄銀行D社の関係者は「高金利が長期化し、今年は借金を期限までに返せない顧客が大幅に増えた。延滞率を下げるために下半期から新規融資を半分以上減らしている」と話した。

 融資窓口が閉ざされ、庶民は違法貸金業者を利用するしかなくなっている。会社員Lさん(33)は、個人再生手続き中だという理由で最近貸金業者から融資を断られた後、融資仲介サイトで年200~300%以上の利子を要求する融資先を調べている。Lさんは「すぐに資金を確保できる場所がなくて途方に暮れている」と話した。

 貸金業界では19年から22年までに廃業した貸金業者を利用していた120万人のうち97万人(80%)ほどが違法貸金業者を利用しなければならない立場に追い込まれたと推定している。庶民金融研究院が昨年貸金業利用者約3500人を対象に調べた結果、14%が貸金業者に融資を断られた際の選択肢として、「違法貸金業者を通じ、資金を確保する」と答えた。また、違法貸金業者利用者315人を調査したところ、年1200%を超える高利子を支払った割合が10.8%に達した。

金智燮(キム・ジソプ)記者

【グラフ】貸金業者の新規融資額推移、登録貸金業者数の推移、違法貸金業者被害届け出・相談件数

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