【NEWSIS】水上バイクに乗って中国の山東省から仁川沖までやって来て、韓国に密入国しようとした中国人の男(35)に対する裁判を前に、この中国人の父親が、息子の強制送還を阻止してほしいと懇願した。
【写真】出入国管理法違反などの罪で起訴された中国の人権活動家、権平被告
韓国の出入国管理法違反などの罪で起訴された中国の人権活動家、権平被告(35)の裁判は23日に行われるが、裁判を前に権被告の父クォン・ファさんが22日(現地時間)、英紙ガーディアンとのインタビューに応じ、自身の息子に対する善処を訴え「息子は中国に強制送還されれば死ぬかもしれない」と主張した。
権被告は今年8月16日、中国から水上バイクに乗って韓国を目指し、仁川港クルーズターミナル付近の干潟から韓国に密入国しようとしたが、水上バイクが干潟で座礁して動けなくなり、自ら119(救急・消防)に通報して韓国海洋警察に逮捕された。
権被告は米国アイオワ州立大学に留学した経験があり、2016年9月には中国の習近平国家主席を風刺したTシャツを着た自撮り写真をSNS(交流サイト)に投稿。同年10月1日には国家権力転覆扇動の疑いで4か月にわたり独房に拘禁されていたことが分かった。当時、権被告が着ていたTシャツには、習近平主席の習(中国語読みでシー、XI)とアドルフ・ヒトラーを掛け合わせた「シトラー(XITLER)」という文字が書かれていたという。
権被告は昨年、韓国の観光ビザを取得したが、中国当局の出国禁止措置によって空港を利用することができず、水上バイクで韓国行きを強行することにした。
仁川地検は先月23日、出入国管理法違反などの罪で権被告に懲役2年6月を求刑した。
権被告の父クォン・ファさんは「息子はまだ若く、自由を望んでいる」として「韓国政府が息子に生きる道を開いてやってほしい」と要請した。
権被告の支持者や親戚は「彼は命懸けで韓国に来た。韓国が望まないのなら、第三国でもいい。そこでちゃんと暮らせばそれでいい」と話した。
権被告が政治的亡命を希望しているというメディアの報道について、米国とカナダの移民当局は「迫害された人々を保護する」という原則を明らかにしている。
ムン・イェソン記者