中国による脱北民強制送還を糾弾する韓国国会決議案、共に民主の反対で採択ならず

 22日、韓国国会外交統一委員会法案小委員会では脱北民強制送還糾弾決議案を処理しようとしたものの、野党・共に民主党の反対で採択できなかった。中国は先月の杭州アジア大会後、自国内で拘束されていた脱北民500-600人を北朝鮮に送還した。これに対して、脱北民で与党・国民の力所属の太永浩(テ・ヨンホ)議員、池成浩(チ・ソンホ)議員や、崔在亨(チェ・ジェヒョン)議員、成一鍾(ソン・イルジョン)議員が中国の脱北民強制送還中止を求める決議案をそれぞれ発議していた。

 同委員会法案小委の委員を務める国民の力の河泰慶(ハ・テギョン)議員は同日、国会記者会見で、「共に民主党の議員たちは常任委では『強制送還をなぜ防げなかったのか』と韓国政府をしかりつけ、『阻止しなければならない』と言っていたのに、いざ法案小委では終始妨害に徹し、結局決議案を採択できなかった」「共に民主党は関係のない資料を要求して妨害した」と述べた。

 同じく小委の委員を務める太永浩議員も「先月強制送還された脱北民の家族たちや、中国の刑務所に拘束されている脱北民の家族たちは今も涙を流しながらこの決議案を待っている」「全世界が中国の脱北民強制送還を中止せよと言っているのに、大韓民国の国会で、憲法上、韓国国民である『北朝鮮を離れた住民』を保護しようという決議案が難航している現実に胸が痛む。人権を重視する共に民主党議員はどこにいるのか」と批判した。

 同委員会の法案小委は共に民主党議員5人、国民の力議員3人で構成されている。同日、小委で決議案採択に反対した共に民主党の金炅侠(キム・ギョンヒョプ)議員は電話インタビューで、「国連で中国国内の脱北民数や脱北理由を把握しているのか、実際に中国国内の難民審査の手続きがどうなっているのかを確認しなければならないと言った」「やたらに決議案を出して、中国と外交的問題が生じてはならないではないか」と言った。その上で、「難民に該当する脱北民もいるはずだが、中国がむやみに強制送還するのは人権問題であり、共に民主党も明確に反対との見解を持っている」「ただし、脱北民の中にも政治的弾圧や飢えで脱北した人もいれば、単に金を稼ぎに来た人もいる。それを区別して正確に中国に要求しようということだ」とも述べた。

朴国熙(パク・ククヒ)記者

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  • ▲先月31日午後、ソウル・汝矣島の国会議事堂で、中国国内の脱北民の北朝鮮強制送還問題解決を求める記者会見をする脱北民強制送還非常対策委員会。写真=NEWSIS

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