韓国の大手ポータルサイト「ネイバー」がニュースコメントに返信を書き続けられるようにした方針を四日で撤回した。「来年の韓国国会議員総選挙を前に、『コメント商売』でクリック数を増やそうとしている」という批判の声を考慮した措置だ。
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ネイバーは20日、「ニュースコメント内の引用返信機能に関して、副作用を懸念する見方があるため、該当機能を除外する」と明らかにした。ネイバーは16日、ニュース・コメント・サービスに「返信の返信」を付けられるようにした。これまでネイバーではニュース記事のコメントに返信をすることはできたが、返信に追加でコメントを付けることはできなかった。だが、機能を追加することにより特定の返信をあらためて指名してコメントを付けることが可能になり、どのような文に対する返信なのか、原文も見られるようにした。ネイバーは「コメントによる意思疎通を図り、コミュニティーをより一層強化するという趣旨だ」と説明していた。
ところが、新たなコメント方針により、コメント投稿者同士が互いを非難するなどのアンチコメントが増えるだろうという懸念が出てきた。副作用を考慮せず、コメント争いをあおる方法でクリック数を増やそうとしているということだ。また、この機能を悪用すれば特定の人物を攻撃したり、特定のコメントを中心に世論をあおったりすることができるようになり、「2018年のネット世論操作事件の再現になる」との指摘もあった。結局、順機能より逆機能の方に対する懸念が高まり、ネイバーはサービスを中止する決定を下したものだ。
ネイバーは今年上半期にも「キーワード推薦」サービスを導入しようと試みたが、「事実上の『リアルタイム検索ワード』復活だ」との批判を受けて撤回している。情報技術(IT)業界のある関係者は「ネイバーは最近、トラフィック(アクセス数など)の減少などで頭を抱えていると聞いている」「韓国1位のポータルサイトだけに、新規サービス導入が及ぼす社会的波紋や世論を事前に十分考慮する必要がある」と語った。
アン・サンヒョン記者