【世宗聯合ニュース】韓国企画財政部によると、国際通貨基金(IMF)は韓国政府と行った年次協議に基づき作成した「2023年韓国年次協議報告書」で、今年の韓国の物価上昇率を3.6%と予想した。10月時点の見通しから0.2ポイント上方修正した。来年の物価上昇率見通しも2.3%から2.4%に引き上げた。最近の原油高などを反映したとみられる。
IMFは、物価上昇傾向が鈍り、来年末には韓国銀行(中央銀行)の物価安定目標の2%を達成できると予想した。そのうえで、物価安定に向けた現在の高金利基調を当分は維持することが重要だと提言した。こうした側面で、韓国の通貨政策は適切だと評価した。
韓国の経済成長率見通しは今年1.4%、来年2.2%で、10月の予想を据え置いた。今年下半期から半導体の輸出改善、観光産業の回復などに後押しされ、徐々に上向くとの見方を示した。
経常収支黒字は国内総生産(GDP)比1.3%から次第に改善され4.0%に回復するとの見通しを示した。
IMFは韓国政府の2024年度(1~12月)予算案、財政ルール導入の努力などを肯定的に評価するとともに、財政の健全性確保に向けた努力を続けるよう促した。
金融部門については家計と企業の多額の負債、ノンバンクのプロジェクトファイナンスなど潜在的な不安要因があるが、管理可能な水準だと評価した。家計と企業の金融資産保有水準、厳格なマクロ健全性規制などを踏まえると金融市場全般のリスク発生の可能性は低いとの見方を示した。