韓国公共放送局KBS、新社長就任日に合わせて主要ニュースのアンカーを全員交代

チュ・ジヌ氏降板、『ザ・ライブ』編成除外
文政権時に左遷された人物を多数起用

 韓国公共放送局KBSの朴敏(パク・ミン)新社長が13日、報道本部長など本部長・センター長級の幹部9人と主要部署の局長・部長級60人の交代人事を断行した。偏向放送だと批判を浴びてきたKBS第1ラジオの時事番組『チュ・ジヌ・ライブ』、KBS第2テレビの『ザ・ライブ』などについては、進行役の交代と編成除外措置が取られた。このため、朴敏社長は就任と同時にKBSに本格的なメスを入れた、と評価されている。

【写真】新社長就任日に降板を告げられたチュ・ジヌ氏

 朴敏社長は前日12日の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領による裁可の直後、李椿鎬(イ・チュンホ)元取材主幹を戦略企画室長に任命し、報道・編成本部長など主要幹部級人事に対する発令事項を内部イントラネットで発表した。前政権の文在寅(ムン・ジェイン)政権発足直後に左遷され、インターネット担当のマルチプラットフォーム編成局記者を務めていた張漢植(チャン・ハンシク)元未来戦略企画局長が報道本部長に任命されるなど、これまで主要職務から外されていた人物が多数起用されたことが分かった。

 KBS第1ラジオ『チュ・ジヌ・ライブ』は12日、ラジオセンター長内定者が担当プロデューサーに電話をかけ、進行役チュ・ジヌ氏の降板を告げたことが分かった。KBS第2テレビ『ザ・ライブ』は朴敏社長就任初日の13日夕に編成表(番組表)から消え、代わりに大河ドラマ『高麗契丹戦争』の再放送が急きょ放送された。ラジオセンターには「これまでの時事番組出演者の出演を中止し、新たな出演者をオファーせよ」という指針が下されたという。今年5月にKBS放送関係者連合会などが分析したところによると、KBSラジオの時事番組は「親野党系出演者が61%、親与党系出演者が8%」と、事実上、野党の「スピーカー役」をしてきたことが分かった。

 メインニュースの「顔」も変わった。KBSは13日、『ニュース9』の新たな男女アンカーとして、『日曜診断ライブ』の司会をしていたパク・チャンボム記者と、週末に『ニュース9』を担当していたパク・チウォン・アナウンサーを起用したと明らかにした。パク・チャンボム新アンカーは今年7月の『日曜診断ライブ』で文在寅政権を批判するクロージング・コメントをし、再放送で削除されるという事態になっていた。

 朴敏社長は13日の就任あいさつで、「国民が正しい判断ができるよう、正確かつ偏見のない知識と情報を提供しなければならない」「公営放送を個人や集団の理念・所信を実現させる場だと考える人は居場所がないだろう」と述べた。

 全国民主労働組合総連盟(民労総)傘下のメディア労組KBS本部は同日、記者会見を開き、「今回の人事や一部番組の編成除外などの措置は、放送法で保障されている『放送編成の自由と独立』を侵害するものだ」と主張した。

シン・ドンフン記者

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  • ▲13日午前、ソウル市永登浦区のKBS本社で行われた就任式で、就任のあいさつをする朴敏(パク・ミン)新社長。写真=KBSより
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