日本のドラマのリメイクなのに「独創的な韓国ホラー」だなんて

今月8日公開のホラー映画『ニューノーマル』

 問題なのは、同映画の公式資料や広報物、クレジットなどで、まるで韓国の制作陣が最近の韓国の世相を反映させて作った作品であるかのようにPRし、観客の誤認を招いている点だ。 約10年前の日本のドラマのテーマや問題意識がベースなのに、「新鮮かつ独創的なウェルメイド(構成のしっかりした)サスペンス」「ユニークなKホラー」と宣伝している。そして、「大韓民国の現実に基づく、リアルな登場人物たち」と強調している。ほとんどのストーリーは日本のものをそのまま使っているのにもかかわらず、「脚本・監督チョン・ボムシク」あるいは「Written and Directed byチョン・ボムシク」と表記されている。チョン・ボムシク監督は最近のメディアとのインタビューやプレスリリースなどで、「現在、私たちが暮らしている大韓民国の現実に基づいた現代人の寂しさと孤立を、スピード感のある展開で描いた」「類例のない混沌(こんとん)としたニューノーマル時代を通過しつつ、この時代を生きる一人であり、作家としての観点を盛り込んでみようと思った」と語っている。

 制作会社側は11日、本紙の問い合わせに「『ニューノーマル』が『トリハダ』の版権を買い付けて制作したものであることは事実だ」「映画上映後のクレジットに版権の部分について表記した」と回答した。本紙が確認した結果、全エンディングクレジットのうち中程の部分に「一部のアイデアは日本のテレビ『トリハダ』シリーズに基づいている」とひらがなとカタカナで表記されていた。しかし、ストーリー構成をそのまま使い、セリフやカメラアングルまで同じシーンが多く、「一部」と見るには無理があると指摘されている。それに、クレジットでは韓国の「脚本チーム」「アイデアチーム」の後ろに表記されており、観客に正確な情報を提供しているとは言い難い。仁荷大学法学専門大学院の洪承祺(ホン・スンギ)教授は「著作権法は親告罪であるため、日本の著作権者が表記方式に同意したとすれば、法的には問題にならないこともあり得る」「ただし、観客に知らせるマーケティングは倫理的な部分なので、別の問題だ」と語った。

申晶善(シン・ジョンソン)記者

【写真】チェ・ジウ、SHINeeミンホ、ピョ・ジフン…『ニューノーマル』の主演陣

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  • ▲映画『ニューノーマル』エピソード5「ピーピング・トム」で隣家の女性をのぞく役を演じるピョ・ジフン。写真=UNPA STUDIOS

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