韓国経済 半導体を中心に景気減速が緩やかに=政府系機関

【世宗聯合ニュース】韓国政府系シンクタンクの韓国開発研究院(KDI)は7日発表した「11月の経済動向」で、韓国経済について「景気の不振(減速)が緩和しているが、海外の状況は依然として不確実な様相」との認識を示した。長らく続いた半導体不況が回復局面に差し掛かり、景気全体の反転を主導しているとした。

 9月の全産業生産は前年同月比2.8%増加した。このうち鉱工業生産は3.0%増となった。IT需要の回復で半導体(23.7%増)が大幅に伸びたほか、1次金属(12.5%増)も前年の生産減の反動でプラスに転じた。製造業の平均稼働率は73.2%と高水準だった。在庫率は113.9%に低下した。

 サービス業の生産も宿泊・飲食店業と運輸・倉庫業を中心に2.2%増加した。

 一方でKDIは、市場金利の上昇や中東情勢の緊迫化など、景気下振れの要因も存在すると分析した。製造業の景況判断指数(BSI)見通しは71(基準値100)と、輸出不振が和らいだにもかかわらず比較的低い数値にとどまったと指摘した。

 消費は低調で、9月の小売販売は前年同月比1.9%減少した。前月(4.7%減)より減少率は小さいが、消費不振が改善したとは見なし難いという。消費者心理指数も低下した。

 9月の設備投資は前年同月比5.7%減少した。半導体は生産に持ち直しの兆しがあるものの在庫が高止まりしており、新規の投資需要が伸び悩んだ。半導体投資と密接に関係する特殊産業用機械も大幅減となった。他の機械類も振るわない。

 10月の輸出は前年同月比5.1%増加した。自動車(19.8%増)が堅調な伸びを維持し、半導体(3.1%減)のマイナス幅は縮小するなど、全体として改善した。
 同月の消費者物価指数は前年同月比3.8%上昇した。上昇率は拡大したが、物価上昇の勢いは鈍化傾向にあるという。

 KDIは海外の状況について、米国と中国を中心に産業生産が拡大しており、景気と消費関連の先行指標も緩やかな上昇傾向との見方を示した。同時に、金融引き締めや中東情勢の先行き不透明感などにより景気の不確実性も高いと指摘した。

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