【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)前大統領の側近、曺国(チョ・グク)元法務部長官が来年4月の総選挙に出馬する可能性を示唆し、革新系最大野党「共に民主党」では選挙への逆風を懸念する声が出ている。
曺氏は今年2月、子どもの不正入学に絡む罪や文前政権で青瓦台(大統領府)民情首席秘書官を務めた時代に文氏に近い柳在洙(ユ・ジェス)元釜山市副市長に対する監察を打ち切った職権乱用罪などで、懲役2年を言い渡された。曺氏は判決を不服として控訴している。
曺氏は今月6日、ユーチューブ番組に出演し、総選挙への出馬について、「最大限法律的に疎明するため努力する」としながらも、「これが受け入れられない場合、非法律的な方式で名誉回復の道を探すことを考えている」と述べ、出馬を示唆する発言をした。
だが、曺氏の発言に対し、共に民主党の金榮鎮(キム・ヨンジン)議員はラジオ番組で、「国会議員出馬が名誉回復の手段ではない」と否定的な考えを示した。金氏は同党の李在明(イ・ジェミョン)代表の側近で、金氏の発言は事実上、李氏の意向であるとの見方もある。
政界では曺氏が比例区用の衛星政党を結成する可能性のほか、新党立ち上げ、無所属での出馬などが取り沙汰されている。
曺氏が出馬する場合、同氏を巡る不正が再び論争の的となって共に民主党の主な選挙戦略である「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権審判」に焦点が当たらないことや、中道層が離れる懸念があり、距離を置きたい考えもあるようだ。同党の鄭清来(チョン・チョンレ)最高委員もラジオ番組で、「少し見守らなければならない」と慎重な姿勢を表明。同党関係者は「党が曺氏の出馬に賛成しようが反対しようが論争の的になるのは良いことではない」として、「まずは対応しないほうが良い」と述べた。