米国に端を発する金利上昇などの影響で、韓国では10月の社債純発行額(発行額から償還額を差し引いた額)が昨年9~10月レゴランド問題以降で最低を記録した。社債需要が低下したため、一部企業は資金調達を行うため、予想以上の高金利で起債を行うケースも出ている。
金融投資協会によると、10月の社債の純発行額はマイナス2兆8410億ウォン(約3250億円)で、昨年10月(マイナス4兆8429億ウォン)以降で最低だった。純発行額のマイナスは、企業の社債発行による資金調達額よりも、発行済みの社債の償還額が大きかったことを示す。最近債券市場が下落を示していることを考えると、社債需要が低下し、新規の起債が難しくなったためと言える。今後債券市場は冬の時代を迎えるのではないかと懸念する声が上がっている。
一部の企業は民間の債券格付け会社が算出した平均金利を上回る金利で社債を発行している。国債金利が上昇し、相対的に社債の魅力が低下した結果、これまでより金利を上乗せしなければならなくなっている格好だ。ロッテ七星飲料、SKブロードバンドなど優良格付け(ダブルA)企業が平均金利よりも高金利で起債を迫られた。超優良格付け(トリプルA)のSKテレコムが先月行ったブックビルディングでも3年・5年物社債の金利は平均金利を上回る水準となった。
銀行債の発行上限が廃止され、銀行債に資金が集中したことで、融資専門金融機関の資金調達環境も悪化している。10月の銀行債の純発行額は7兆5393億ウォンで、今年最高となった。これに対し、ベンチャーキャピタルやクレジットカード会社などが発行する与信専門金融債が大半を占める「その他金融債」の純発行額はマイナス4980億ウォンで昨年10月(マイナス3兆4423億ウォン)以降で最低を記録した。
安重顕(アン・ジュンヒョン)記者