韓国政府「車載電池の供給網不安招く」 黒鉛輸出規制巡り中国に憂慮表明

【世宗聯合ニュース】韓国産業通商資源部は、中国が先ごろ電気自動車(EV)向け電池の主要材料である黒鉛(グラファイト)の輸出を12月から規制すると発表したことに対し、世界の電池供給網(サプライチェーン)に不安を招きかねないとして中国側に憂慮を表明した。中国・大連で30~31日に開いた韓中日の政府・企業関係者らによる「環黄海経済・技術交流会議」に合わせて開催した韓中産業当局の局長級協議で、こうした立場を伝えたという。

 黒鉛は車載電池の負極材に使われる。中国は黒鉛の生産量が世界で最も多い。韓国側は、LGエナジーソリューションやSKオンなど韓国の電池大手が中国で大規模工場を運営しており、韓中の電池産業の供給網が密接に結びついていることを強調し、互いの利益のため安定した供給網を維持する重要性を訴えたとされる。

 中国の輸出規制を巡っては、米中対立のなかで先端産業用の重要鉱物を「武器」として用いているとの見方が強い。中国は黒鉛の輸出規制に先立ち、今年8月には先端半導体の製造に使われる希少金属、ガリウムとゲルマニウムの関連製品の輸出を規制した。

 一方、今年の環黄海経済・技術交流会議は「産業・供給網の円滑化、環黄海協力」をテーマに開かれ、韓中日の政府、企業、経済団体の関係者ら300人が出席した。

 同会議は黄海を取り巻く韓中日3カ国の貿易、産業分野の協力促進を図るため2001年に始まり、毎年開催されている。今年は新型コロナウイルスの流行を経て4年ぶりに対面で開かれた。

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい