ユダヤ系の若い女性たちがイスラム組織ハマスとの戦闘に志願し、命を懸けて戦う準備をしている。英国からは少なくとも100人の女性がイスラエルに集結したほか、世界の各地から二重国籍を持つ予備役女性がイスラエル国防軍(IDF)に再入隊している。英紙デイリー・メールが21日(現地時間)に報道した。
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報道によると、英国とイスラエルの二重国籍を持つ女性予備役モリア・メンサーさん(21)は世界旅行の計画をキャンセルし、再入隊のためイスラエル行きの飛行機に乗った。メンサーさんは知人のティペレット・ラピドットさん(23)が7日、ハマスによるテロ攻撃で行方不明になったという話を聞いた。「ラピドットさんはハマスに拉致されたのではないか」と心配していたが、後にラピドットさんはイスラエル南部の音楽祭で殺害された犠牲者の一人であることが分かった。
メンサーさんは5カ月前、2年間にわたるイスラエル軍での兵役を終えた。兵役時、メンサーさんは戦闘兵部隊に所属していた。除隊後は英国にいる家族と暮らし、オーストラリア・タイ・南米への旅行を計画していたが、そうした時にハマスの襲撃が発生した。メンサーさんは急いでIDFに再入隊を志願し、レバノンのイスラム組織ヒズボラによるレバノン南部攻撃に備え、イスラエル北部戦線に向かう準備をしている。メンサーさんは監視部隊に入り、敵軍による国境越えの侵入やミサイル・ドローン攻撃を探知する任務を担う予定だ。
メンサーさんは「私は引き下がれない。英国が私の祖国であるように、イスラエルも私の祖国だからだ」「今、私たちがイスラエルを守らなければ、私たちはどこにも存在できなくなるだろう。これはテロと戦うということだけでなく、私たちの存在のために戦うということなのだ」と言った。
また、別の志願入隊予備役である英国・イスラエルの二重国籍者Aさん(26)はハマスが攻撃した時、イスラエル行きの飛行機に乗っていた。Aさんが乗っていた飛行機はイスラエル領空が閉鎖される前に着陸した最後の飛行機だった。Aさんはロンドンで生まれ、キプロスで医学を学んでいた医大生で、同じくIDFで2年間の義務兵役を終えており、ハマスが攻撃すると直ちに軍隊と接触して再入隊の意思を明らかにした。Aさんは現在、数十人の負傷者を治療しているテルアビブのイチロフ病院で兵士として服務している。
Aさんは「25歳の兵士をはじめ、直ちに外傷病棟に入った重傷患者が数人いた。ハマスと銃撃戦をした兵士の間で銃傷が多く発生した」「医大生なのでけがを見るのはそれほど衝撃的ではないが、集中治療室の患者の意識が回復しないという話を聞くのが一番つらかった」「私は、私の祖国が危険にさらされているのを知りながらここを去りたくはない」と言った。
オーストラリアとイスラエルの二重国籍を持つマイ・グートマンさん(28)も志願入隊した女性予備役の一人だ。グートマンさんは7日、悲劇が起きた音楽祭に参加しようとしたものの、エルサレムにとどまっていて惨事を免れた。グートマンさんはオーストラリアに避難することも可能だったが、「自分が惨事の犠牲者になっていたかもしれない」という思いを振り払うことができず、「(オーストラリアには)行かない」とはねのけた。グートマンさんは「『あれは私だったかもしれない』『私の友人たちがあそこにいた』『あの人たちはただ遊びに行った、私と同年代の若者たちだった』と考えてしまう」「私はこの地にいなければならない道徳的義務がある」と語った。
イ・ヘジン記者