「安い電気料金は事実上の補助金」 米国が韓国鉄鋼製品に報復関税

「安い電気料金は事実上の補助金」 米国が韓国鉄鋼製品に報復関税

 米国政府が韓国産鉄鋼製品に対し、安い電気料金を理由として相殺関税を賦課した。相殺関税とは、輸出国の奨励金・補助金支援を受けた製品に賦課する、一種の報復関税だ。

 韓国産業通商資源部(省に相当。産業部)が5日に明らかにしたところによると、米商務省は今年9月、「韓国の安い産業用電気料金は事実上、補助金の役割を果たしている」として、現代製鉄と東国製鋼が輸出する厚板に1.08%の相殺関税を賦課すると最終判定した。今年2月に米商務省は、両社の厚板に対し1.1%の相殺関税を賦課する旨の予備判定を下していた。業界や産業部では、今回の相殺関税で電気料金に関する部分は0.5%とみている。米商務省は、韓国産鉄鋼製品に対して毎年相殺関税を賦課するかどうかを検討している。

 現代製鉄が米国へ輸出している厚板の物量は年間4万トン水準で、厚板の生産量全体の2%にとどまる上、相殺関税率も1%水準と低く、収益に大きな影響はない見込みだ。なお、現代製鉄の関係者は「今回の件に関連して米国ITC(国際貿易委員会)に提訴する」と語った。

 米国政府が、安い電気料金を理由に他の鉄鋼製品や品目にまで相殺関税賦課を拡大する場合、通商摩擦が予想される。低い電気料金は、これまで韓国産業界の競争力と見なされてきたが、ロシア・ウクライナ戦争の発生で電気の販売価格が原価を下回り、通商問題を引き起こすだろうとの懸念が強まった。産業部と韓国電力も、安い電気料金が続く場合、通商問題に飛び火しかねないだろうと懸念してきた。国際エネルギー価格サイト「グローバル・ペトロル・プライシズ(GlobalPetrolPrices)」によると、今年3月現在、韓国の産業用電気料金は世界133カ国・地域中55番目に安い。中国・台湾よりは高いが、産油国である米国・メキシコよりも低い水準だ。

チョ・ジェヒ記者

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