福祉部の関係者は「脳死者の臓器提供のためには遺族の同意を得なければならないが、新型コロナウイルス感染症で遺族との接触が困難になったのも原因」とし「多くの脳死者が発生する交通事故、脳血管疾患などが減ってしまった構造的影響もある」と述べた。
専門家たちは、根本的な解決のためには法整備を見直すべきだと促す。韓国のドナーの大半は脳機能を失った脳死者だ。韓国は法的に「脳死ドナー(DBD)」は認めているものの、海外の主要国が採択している「心停止ドナー(DCD)」は認めていない。「心停止ドナー」は、脳死状態ではない、心停止患者に対しても本人の事前同意により心肺蘇生法を施行せずに5分間待って全身の血液循環が止まったら臓器を摘出できるようにする制度だ。米国では、全ドナーのうち「心停止ドナー」の占める割合が30%を超えている。英国やオランダなど欧州の主要国はこの割合が40-50%に上る。韓国国内でこの制度を導入すれば、ドナーが今より少なくとも2倍に増えるとする見方もある。韓国臓器組織寄贈院の関係者は「政府と自治体が、脳死者による臓器提供について同意を得るために遺族を説得する専門家を養成する必要性がある」と述べた。
チョ・ベクコン記者、オ・ジュビ記者