いわゆる大庄洞開発の関連業者から違法な政治資金と賄賂を受け取ったとして起訴された民主研究院元副院長の金湧(キム・ヨン)被告に対し、検察が懲役12年を求刑した。大庄洞開発関連の裁判で、初めて審理が終結し、求刑が示された。
検察は21日、ソウル中央地裁で開かれた論告求刑公判で、金被告に懲役12年、罰金3億8000万ウォン(約4190万円)、追徴金7億9000万ウォンを求刑した。
共犯の城南都市開発公社企画本部長、ユ・ドンギュ被告には懲役1年6月、追徴金1億4000万ウォン、弁護士のチョン・ミンヨン被告には懲役1年、追徴金700万ウォンをそれぞれ求刑した。資金提供者である弁護士の南旭(ナム・ウク)被告には懲役1年、追徴金1億ウォンを求刑した。
検察は「長い間癒着してきた民間業者に選挙資金を要求し、6億ウォンを現金で受け取り、党内予備選に使った金湧被告の犯行は検事にとっても衝撃的だ」と述べた。その上で「しかし、捜査と裁判の過程で金湧被告にそんな素振りを見せなかった」「金湧被告が数回にわたり虚偽の主張をメディアに広め、証拠を隠滅した」と主張した。
検察はまた、「手段と方法を選ばず、当選さえすれば、全てを覆い隠せると思っており、罪の意識がなかったのかもしれない」とし、「ブラックマネーで選挙を行ってでも当選さえすればよいという自己催眠だ」と批判した。
裁判の過程で金湧被告は、ユ・ドンギュ被告が捜査機関で行った供述と法廷証言を虚偽だと一蹴した。これに対し、検察は「自分が生き残るために他人をうそつきと決めつけるものであり、その主張に相応しく責任も重い」と批判した。
検察はさらに、ユ・ドンギュ被告について、「主な共犯であると同時に告発者でもある」とし、ユ被告が「裏切り者」ではなく、勇気を見せた人物として認められることを願っていると強調した。
金湧被告は最後弁論で「私が短時間で重犯罪者になったのは、ユ・ドンギュ、チョン・ミンヨンによる供述のせいだ」とし、「真実は必ず明らかになる」と主張した。
共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表の最側近である金湧被告は、大統領選の党内予備選前後の昨年4~8月、ユ・ドンギュ被告らと共謀し、南旭被告から4回にわたり選挙資金名目で8億4700万ウォンを受け取ったとして起訴された。2013年2月から14年4月まで城南市議会都市建設委員会常任委員として在職し、公社設立、大庄洞開発事業に関連する便宜供与の見返りとして、ユ・ドンギュ被告から4回にわたり計1億9000万ウォンを受け取った疑いも持たれている。
金湧被告は昨年11月に逮捕、起訴された。裁判の過程では「とんでもない小説」だとして、疑惑を全面否認してきた。
ホン・インソク記者