ウクライナ国防省情報総局のキリル・ブダノフ長官は13日に現地メディア「ニュー・ボイス・オブ・ウクライナ」の取材に「ロシアはすでに1カ月ほど前からロケット弾など北朝鮮製の兵器を使っている」と明らかにした。ブダノフ長官によると、1カ月半ほど前に北朝鮮とロシアは協定を結び、この時から北朝鮮製兵器の輸入が始まったという。これは7月22日にロシアのショイグ国防相が6・25戦争休戦協定70周年に北朝鮮を訪問し、武器や砲弾の供給を要請した時期と合致する。
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米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官も昨年末の時点で「ウクライナ東部バフムトを攻撃するロシアの民間軍事会社ワグネルに対し、北朝鮮はロケット砲やミサイルを売りさばいた」と主張していた。
ロシアにおける砲弾の生産能力は年間100万-200万発だが、ロシア軍は昨年2月末のウクライナ侵攻後、昨年1年間ですでに1000万-1100万発を使ったとみられる。
これについて西側の軍事専門家は「北朝鮮の武器庫は一部が老朽化し、効率も悪い」と指摘する。英フィナンシャル・タイムズは7月28日、「ウクライナ軍はロシアに引き渡される前の北朝鮮製122ミリ砲弾を友好国を通じて入手し、これを南部ザポリージャ戦線で、旧ソ連時代のグラド多連装ロケット砲で使用しロシア軍を攻撃している」と報じた。
当時ウクライナ軍のルスランと名乗る砲兵指揮官はフィナンシャル・タイムズの取材に「北朝鮮製の砲弾はほとんどが1980年代か90年代に製造された」「不発の割合が高いのであまり使いたくはない」と述べていた。また別の砲兵も「砲弾は信頼性が非常に低く、たまに変なところに飛ぶので、発射台に近づいてはならない」と注意を呼びかけた。
グラドは122ミリ砲弾を20秒以内に最大40発撃てる多連装発射システム(MLRS)で、トラックに積んだ状態で使用する自走砲だ。AK47小銃と同じく世界中で使用されており、北朝鮮軍、ロシア軍、ウクライナ軍のいずれもグラドを使っている。
上記のルスランと名乗る指揮官はフィナンシャル・タイムズに「北朝鮮製の砲弾は信頼性に問題はあるが、これでも使えるのは幸い」「ウクライナ軍は手に入る全ての砲弾を使わねばならない」とも述べた。
ウクライナ軍が北朝鮮製の砲弾を入手したルートについてウクライナ国防省関係者は「戦車や装甲車と同じくロシア軍から奪った」と説明していたが、これに対して戦場のウクライナ軍指揮官は「ロシアに渡る前に『友好国』を通じて入手した」と明らかにした。
ロシア軍はウクライナ侵攻以来、これまで戦車2000両、装甲車4000両、航空機100機以上を失ったとみられる。さらに27万人のロシア軍兵士が戦死あるいは負傷した。
李哲民(イ・チョルミン)国際専門記者