先月23日、光云大学の陳重権(チン・ジュングォン)特任教授もCBSラジオ『パク・ジェホンの一本勝負』に出演し、韓国大統領室に向かって「これがフェイクニュースだ。考えてみろ。いや、あなたたちはBTS(防弾少年団)なんですか? BLACKPINK(ブラックピンク)なんですか? どうやったら1600万(になるのか)。いや、だまそうと思うにしても、ほどほどに(すべきだ)」「16万くらいならだまされてやるけれども、1600万なんて大統領室はBTSやBLACKPINK級なのか」と言った。共に民主党の張チョル敏(チャン・チョルミン)議員はニュース専門チャンネル「YTN」に出演し、「歌手イム・ヨンウンのミュージックビデオも1年かかって1600万回になったことがあるくらい」と語った。
しかし、韓国政府によると、これは一般のユーチューブ動画と政府の政策広告動画の概念の違いが理解できていないために起こったことだという。政府関係者は「『福島汚染水の真実』という動画は基本的に広告動画だ」「広告費5億ウォン(約5500万円)を執行してユーチューブに動画を『強制露出』させ、アクセスした人が視聴するシステムになっている」と述べた。広告金額を増やせば増やすほど再生回数が多くなるユーチューブの広告システムの一環だということだ。
事実、この動画の露出回数は先月26日基準で約4000万回だという。このうち、この動画を30秒以上見た場合のみ再生回数として集計されるが、これが現在1700万回を超えたということだ。動画本編を見る前に出てくる広告を見たくないと考えてユーチューブのサイトから離れてしまった人まで合わせれば2300万人を越えるということになる。
韓国政府関係者は「動画を30秒以上見た再生回数1630万回の平均視聴時間は『3分3秒』に達する」「動画全体の長さが4分26秒という点を考えると、最後まで視聴した人がそれだけ多いという意味で、再生回数1630万回の半分が最後まで再生されたことが分かった。それだけ韓国国民が福島汚染水の真実が何なのか、高い関心を示しているという意味だ」と語った。
ユーチューブによると、1再生回数当たり広告費約30ウォン(約3.3円)かかるとのことだ。「1600万回再生×30ウォン=約5億ウォン」という計算になる。政府は再生回数が1700万回を超えたことから、広告費を追加で執行する方針だ。
韓国政府側は、広報動画に予算を投入したことについて、「福島汚染水に関する怪談(デマ)により国民が不安になり、これによって漁業関係者や水産業界が被害を受ける恐れがあるとの懸念が高まっているためだ」「国民が安心できるよう、科学に基づいた情報を提供する必要があった」と説明した。
朴国熙(パク・ククヒ)記者