日本メディアは、100年が経過した今、災害に関するフェイクニュースはデジタル技術を通して次第に巧みなものになっていると警告している。例えば2011年3月11日、福島第一原子力発電所事故を起こした東日本大震災では、ソーシャルメディアのツイッター(現在のX)に、普段より2倍も多いツイートがあったとNHKは伝えた。事実と共にフェイクニュースも混じって広まった。特に「製油所の高圧ガスタンクが爆発し、(全国に)有害物質の混じった雨が降る」という偽情報は10時間にわたり日本全域で共有された。2016年4月に熊本でマグニチュード6.5の地震が発生したときは「動物園からライオンが脱走した」として、1頭のライオンが夜の町をうろつく、ぞっとするような写真がオンライン空間に出回った。この写真は、その後、日本ではなく海外で撮影されたものと確認された。だがツイッター上だけでも既に2万人がこの写真をリツイートした後だった。
ソーシャルメディアで流言飛語の伝達力が高まったとすると、ディープフェイク(deepfake。本物に似せて作ったデジタル視覚物)などAI技術の発展は、事実と区別し難い精巧なフェイクニュースを作り出す一助となっている。代表的な事例が、昨年9月にソーシャルメディアで広まった「静岡水没」写真だ。当時、台風15号(アジア名:タラス)の影響で静岡県一帯に豪雨が降ったが、「地域全体が水に漬かった」とする3枚の写真がツイッターに投稿された。この写真は誇張された捏造(ねつぞう)写真だと判明した。既に台風で被害が大きくなっている中、ツイッターで急速に拡散したこの写真により、住民らの間で恐怖が一層つのった。
2021年2月に宮城・福島一帯で地震が発生したときには、加藤勝信官房長官(当時)が災害の状況をあざ笑うかのような明るい表情で記者会見を行うフェイク写真がツイッター上で拡散し、物議を醸した。国立情報学研究所(NII)の越前功教授は「実在する人物の偽のイメージを一から作り出したり、そもそも存在しない架空のストーリーを作ることすら、(ディープフェイクを通して)可能になった」と警告した。
キム・ドンヒョン記者、成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長