大統領選直前の「虚偽報道」 都市開発不正疑惑の中心人物ら捜査=韓国検察

【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウル郊外にある城南市大庄洞の都市開発事業の不正疑惑を巡り、昨年の大統領選直前に虚偽のインタビューが報じられたとされる問題で、ソウル中央地検は6日、請託禁止法違反などの疑いで同事業の中心人物であるキム・マンベ氏の自宅などを家宅捜索した。検察は今月1日、インタビューを行った全国言論労働組合のシン・ハクリム元委員長の事務所などを家宅捜索している。

 キム氏は2021年9月、左派系のインターネットメディア「ニュース打破」の専門委員だったシン氏とのインタビューで、大庄洞開発事業を推進した民間業者が2009年に釜山貯蓄銀行から不正な融資を受けた疑惑を巡り、同疑惑を捜査していた当時の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大検察庁中央捜査部第2課長(現大統領)が融資をあっ旋したチョ・ウヒョン氏の捜査で手心を加えたと主張した。キム氏は尹氏がチョ氏の事情聴取をしたが、「コーヒーを出し、いくつか(質問を)した後、帰らせた。見逃してもらった」などと述べた。当時、チョ氏の弁護人は尹氏の元上司の朴英洙(パク・ヨンス)氏が務めていた。

 このインタビューは昨年の大統領選の3日前にニュース打破が報じた。キム氏はインタビューを報じた見返りとして、シン氏に「書籍代」として1億6500万ウォン(約1800万円)を渡した疑いもある。

 検察はこのインタビューを通じ、大庄洞開発事業の不正疑惑の責任を当時の城南市長で、大統領選で尹氏と戦った李在明(イ・ジェミョン)氏(現最大野党「共に民主党」代表)ではなく尹氏に押しつけようとした「偽ニュース」と判断している。

 チョ氏は21年11月の検察の聴取で、「尹氏と会ったことはない」と供述した。

 一方、ニュース打破は今月5日、このインタビューについて、シン氏とキム氏が金銭的なやりとりを行ったことが確認されたとして、「取材源と巨額の金銭取引を行った事実はジャーナリズムの倫理上、決して容認できない行為」として謝罪する文書を掲載した。ただ、「尹政権と検察はキム氏とシン氏の金銭取引を口実に当該報道が全くの虚偽で意図的な大統領選への介入だったように追い詰めている」と主張した。

 大統領室は同インタビューについて、「希代の大統領選工作事件」と批判した。

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