米第5空軍司令部でもある横田空軍基地にはC130などの大型輸送機が配備されている。韓半島で非常事態が発生すれば、これらの輸送機が兵力や物資を韓半島に輸送し、米国人を日本に撤収させる任務を遂行する。佐世保の海軍基地は韓半島から最も近い軍需支援基地で、580万トン以上の弾薬、2億1100万ガロン(約7億9900万リットル)の燃料などが備蓄されている。米第7艦隊所属の70隻以上の艦艇が3カ月以上使っても余るほどの莫大(ばくだい)な量だ。ウクライナ戦争で弾薬などの補給の重要性が改めて認識されているが、そのため佐世保基地の戦略的重要性もさらに高まったと考えられる。沖縄の嘉手納基地は世界最強のF22ステルス戦闘機などが配備されており、有事に北朝鮮まで1-2時間もあれば出撃できる。
沖縄の艦隊支援部隊が常駐するホワイトビーチ海軍基地は、韓半島有事に沖縄に駐留する米海兵隊の拠点となっている。沖縄に配備されている在日米軍第3海兵隊機動軍は韓半島有事に最も早く投入される大規模増援米力の一つだ。国連軍司令部軍事停戦委員会の首席代表として後方基地を見て回ったことのあるチャン・グァンヒョン予備役陸軍少将は「国連軍司令部後方基地がなければ韓半島有事にまともに戦争を続けることはできない」と指摘している。
さらに韓半島有事に日本は国連軍司令部後方基地の提供以外に自衛隊の戦力も提供する。例えば韓半島に出撃する米軍艦隊の護衛や機雷除去、北朝鮮のSLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)潜水艦を探知する対潜水艦作戦などを担う可能性が高いという。日本の掃海(機雷除去)作戦、対潜水艦作戦能力は世界でも最高レベルと言われている。平時も北朝鮮による相次ぐミサイル挑発と関連するさまざまな情報収集で日本が必要になる。地球は球形のため北朝鮮ミサイルの弾着など下降時の情報収集は日本の方が韓国よりも有利だ。海上でのミサイル迎撃能力も日本は韓国を上回る。日本のイージス艦には韓国のイージス艦にない強力な最新型SM3迎撃ミサイルが配備されている。韓米日3カ国はミサイル警報や防衛訓練を何度か実施したが、迎撃を含む防衛訓練は韓国軍の能力が低いため、米国と日本が中心となって実施されてきた。最新型SM3ブロック2Aミサイルの最大射程距離は2500キロ、最大迎撃高度は1500キロに達する。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者