■国連司の後方基地は有事の際、韓国の生命線
エイブラムス元司令官はカンファレンスで「(文政権と摩擦があり)私が信用できる人間を(国連司に)投入した。(赴任当時)国連司の本部には1個小隊より少ない35人しかいなかった」とし「これを70人に増やそうとするのが、私の努力の全てだった」と声を強めた。エイブラムス元司令官は、2018年の9・19南北軍事合意締結からわずか2カ月後の同年11月に赴任し、南北鉄道連結着工式をはじめとする非武装地帯への出入りを巡って文政権と数度にわたり深刻な対立を引き起こしたといわれている。
では国連司は、本当に南北関係と統一の障害物で、韓国の安全保障には役立たない存在なのだろうか。専門家らは、今年で停戦協定締結70周年を迎え、国連司の性格と役割をきちんと見つめる必要がある、と指摘する。国連司は、6・25戦争が始まった直後の1950年7月に東京で創設され、57年7月にソウルの竜山基地へ移ってきたあと、現在まで維持されている。米国・英国・オーストラリアなど6・25戦争の参戦国を中心に17カ国で構成されており、平時は停戦協定および体制を維持・管理することが主な任務だ。
だが、韓国の安全保障という側面から見ると、これよりも重要な任務がある。韓半島で全面戦が起きた際、戦力提供国から兵力と装備を受領して韓米連合司令部の作戦を支援することだ。有事の際に戦力提供国の兵力・装備が入ってくるルートが、横須賀など国連司の七つの後方基地(在日米軍基地)だ。これらの基地は有事の際、韓国の生命線とも言える存在だ。国連の北朝鮮制裁強化以降、英国・オーストラリア・ニュージーランド・カナダ・ドイツなど複数の国が艦艇や海上哨戒機、潜水艦などを韓半島周辺へ派遣して北朝鮮の違法な洋上積み替え船などを監視しているが、これらの艦艇・航空機が燃料などの補給を受けている場所も国連司の後方基地だ。