韓国で福島第一原発放射能汚染水に関する虚偽情報(disinformation)、いわゆる「フェイクニュース」は19件に達することが分かった。「公正言論国民連帯」「正しい言論市民行動」「社会正義を望む全国教授会」「新全国大学生代表者協議会(新全大協)」という4つの市民団体では先日、フェイクニュース選定会議を開き、「福島フェイクニュース19件」を選定したことを26日に明らかにした。
福島関連フェイクニュース19件には大きく分けて▲「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権非難」 ▲「国際原子力機関(IAEA)中傷と反日感情刺激」 ▲「食品に対する不安と核に対する恐怖の助長」の3種類が存在することが分かった。福島原発処理水の安全性を検証したIAEA包括報告書の発表後は、IAEAの信頼性を傷つけるために作られたフェイクニュースが数多く登場した。野党・共に民主党の梁李媛瑛(ヤンイ・ウォンヨン)議員は9日、KBS第1テレビの時事番組『日曜診断ライブ』に出演し、「IAEAは国連傘下機関ではない」と主張したが、これは全く事実ではなかった。また、「IAEAには日本が分担金を多く払っているため信じられない」(7月5日放送のKBS『チュ・ジンウ・ライブ』など)とも主張したが、これも誤った事実認識に基づいていた。公正言論国民連帯は「実際は海洋放出に反対している中国の分担金は15%で、日本より多い」と指摘した。
一部の環境団体が主張した「汚染水は7カ月から2年後には済州島のある海域に流入する」という主張もフェイクニュースに選ばれた。公正言論国民連帯では「もともとは『セシウムの137濃度が済州島のある海域に到達する時点では1兆分の1に希釈されるため安全だ』というドイツ・キール大学のヘルムホルツ海洋研究センターの論文がこの主張の出どころ」「論文の本来の趣旨と研究結果には全く言及せず、『汚染水は早ければ7カ月後、遅くとも2年後に済州島のある海域に到達する』という海流の流れの分析だけを取り上げ、不安をあおった」と指摘した。
公正言論国民連帯は「福島フェイクニュース」を選定した理由について、「今年3月の韓日首脳会談以降、共に民主党やその他の野党、左派陣営が『福島フェイクニュース』を本格的に作り始め、それらがKBSやMBCなどのメディアとソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じ、拡大・再生産された」「日本が海洋放出を始めれば、食品に対する恐怖を助長する新たな形態のフェイクニュースが再び登場すると思われるため、特に対応策が必要だ」と説明した。
一方、これらの団体は6月と7月に流された代表的なフェイクニュースを選んだ「今月のフェイクニュース」に▲「ソウル瑞二小学校教師の自死に与党・国民の力の3期目の国会議員が関与していた(ジャーナリスト金於俊〈キム・オジュン〉氏のユーチューブ放送、7月21日)」 ▲「終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の電磁波のせいで100人中10人ががんを発症(慶尚北道金泉市老谷里のパク・テジョン里長発言、KBS『ニュース9』6月22日)」 ▲「ロウソク集会のおかげで(韓国で)狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)が発生しなかった(朴智元〈パク・チウォン〉元国家情報院院長発言、MBC『シン・ジャンシクのニュース・ハイキック』など6月7日)」を選定した。
シン・ドンフン記者