元秘書官が要求した機密資料の内訳は国会システムに記録が残っているが、問題は記録に残っていない2級機密だ。元秘書官は2級機密取り扱いの認可を受けていたため、対面・口頭でのみ資料に接することのできる2級機密を随時国防部に要求していたという。3級機密は報告の際にメモは可能だが、2級機密より上は議員も報告を受ける際に流出禁止のサインを行い、メモはできず目視でのみ閲覧と把握が可能だ。国会関係者は「元秘書官は対面報告の際にも資料のメモを取り、写真を撮影しようとしたため制止され、問題になったと聞いている」と伝えた。
国防部は元秘書官が3年にわたり国防部に要求した機密資料の件数については2級機密を含む700件以上に達することを把握しており、資料搬出の過程で違法行為がなかったか独自の調査をすでに行っている。元秘書官に斬首部隊について報告した韓国軍関係者は「元秘書官の前歴については全く知らなかった」とした上で「国会で定められた正式な手続きを経て資料の提出を要求してくれば、こちらとしては報告するしかない」と語った。実際に2013年に統合進歩党議員6人が「韓米共同局地挑発対備計画」「年度別在韓米軍兵力移動」など63件の軍事機密資料の提出を国防部に要求した時も問題になった。
元秘書官は国家情報院による内偵が知られるようになった今年3月に議員事務所から解雇されたが、先日国会情報委員会所属の別の共に民主党議員事務所への採用を求め面接を受けたという。情報委員会は国家情報院が持つ北朝鮮関連の情報を取り扱う常任委員会で、これらの情報は国防委員会のもの以上に機密性が高い。元秘書官は採用されなかった。元秘書官の夫は元統合進歩党員で、2018年に在韓米軍撤収を公約に地方選挙に出馬し、2021年には国家保安法違反容疑で起訴された。国家情報院は元秘書官が夫を通じて軍事機密を流出させた可能性についても調べているという。本紙は元秘書官に電話取材を試みたが連絡はつかなかった。
朴国熙(パク・ククヒ)記者