笑いながら北朝鮮に越境、懲戒で米国に護送予定の在韓米軍兵だった

笑いながら北朝鮮に越境、懲戒で米国に護送予定の在韓米軍兵だった

 板門店の共同警備区域(JSA)を見学中に北朝鮮に渡った米国人は、懲戒を受けで韓国から米国に護送される予定だった在韓米軍兵士だったことが分かった。米メディアが18日報じた。 

 ワシントン・ポスト、ロイター通信などは複数の当局者の話を引用し、共同警備区域を見学中に無断で軍事境界線を越え、北朝鮮に渡った米国人はトラビス・キング二等兵だと報じた。ワシントン・ポストによると、この人物は最近、搭乗予定だった米国行きの飛行機に搭乗しなかったという。ある当局者は「故意に越境を決めた」と指摘した。

 キング氏がなぜ米国行きの飛行機に搭乗せず、北朝鮮に越境したのかは明らかでない。米政府は現在、キング氏の行方と状態の把握に努めているという。CBSなどは「キング氏は懲戒により、韓国から米国に護送される予定だった」とし、「恣意(しい)的に許可なく国境を越えたものだ」と伝えた。キング氏と同じツアーに参加していた目撃者は「板門店のある建物を見学していた際、突然大きく『ははは』と笑い、建物の間に走って行った」と当時の状況を説明した。

 バイデン米大統領は同日、「北朝鮮にいる米軍兵士について心配しているのか」という質問に対し、「している」と答えた。オースティン米国防長官は、「我々の軍人1人が(共同警備区域を)見学していたところ、故意に許可なく軍事境界線を越えた」とし、「我々は兵士が北朝鮮に拘禁されているとみており、状況を細かく監視しいる。親族に状況を知らせるため努力している」と述べた。

 米国務省のミラー報道官は「米軍兵士が北朝鮮に渡った後、米国防総省が北朝鮮にいる外交官と接触したと聞いている」とし、「米国は韓国政府とも定期的かつ継続的な接触を行っている」と述べた。

 ニューヨーク・タイムズは今回の越境事例について、2018年に米国籍のブルース・ローレンス氏が中国から国境を越え、北朝鮮に入って抑留されて以降初めてだ報道した。在韓米軍の兵士が越境したのは、1965年1月5日、在韓米軍陸軍第1騎兵師団第8連隊第1大隊の軍曹だった故チャールズ・ジェンキンス氏(曽我ひとみさんの夫)が非武装地帯(DMZ)を夜間パトロール中に鉄柵を越え、北朝鮮に越境して以来58年ぶりとなる。

 米国は米国人大学生オットー・ワームビア氏の死亡後、北朝鮮を旅行禁止国家に指定している。国連軍司令部は「北朝鮮がこの人物(キング氏)の身柄を確保したと把握しており、事件解決のために北朝鮮軍と協力している」と述べた。事件発生直後、国連軍司令部は板門店見学プログラムを中止した。国連軍司令部は通常、週に4回(火・水・金・土)、1回40人ずつ韓国人や外国人を対象に見学プログラムを運営している。

ワシントン=イ・ミンソク特派員

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