テスラ社の電気自動車(EV)の充電方式が米国で「標準規格」になりつつある中、現代自グループのEVはテスラの急速充電器「スーパーチャージャー」を使うと充電速度が大幅に低下することが分かった。韓国の自動車業界が5日、明らかにした。テスラの充電方式がさらに拡大すれば、現代自グループのEVの長所がなくなるとの懸念が出ている。
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テスラは「NACS」と呼ばれる充電規格を採用している。一方の現代自は「CCS(コンボコネクター方式)」という充電規格だ。両者は充電コネクタの形状が異なるが、テスラは最近、CCS規格の他社EVもアダプタを使ってテスラの急速充電器を利用できるようにし始めた。韓国には現時点ではこのタイプの急速充電器はなく、米国全土でも十数台しか設置されていないが、テスラは来年末までに米国で7500台に増やす計画だ。
現代自グループのEVがテスラの急速充電器を使うと、充電速度が低下する。IONIQ(アイオニック)6ロングレンジ仕様の場合、バッテリー残量10%から80%までの充電にかかる時間は18分から73分へと4倍も長くなる。スタンダードモデルだと18分から63分に延びる。理由は電圧の違いだという。
現代自のEVは電池電圧800ボルトで設計されており、出力350キロワットで急速に充電する。一方のテスラ社EVは電圧400ボルトで設計され、出力250キロワットで充電する。800ボルトのEVがテスラの急速充電器を利用する場合、出力が250キロワットではなく50キロワットに低下するという。
現代自のチャン・ジェフン社長は、現代自のEVがテスラの急速充電器を利用すると充電速度が低下することを認めた上で「顧客の目線で判断すべき事案だ」と述べた。