尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が先日の自由総連盟の集会で行ったいわゆる「反国家勢力」発言を韓国野党・共に民主党は「極右」と批判しているが、これに対して韓国大統領室は31日「尹大統領の発言の中で何が事実と異なり、また自分たちがいかなる勢力なのかを先に説明すべきだ」と反論した。
韓国大統領室のある幹部は本紙の取材に「大韓民国を狙って北朝鮮が核とミサイル技術の高度化を進めている。そのような中にあっても大統領が語った反国家勢力は各国を回って北朝鮮に対する制裁の解除を求めて泣訴している。これは明白な事実だ」と指摘した。この幹部はさらに「終戦宣言は北朝鮮の核廃棄を前提に南北相互の信頼が構築されてから到来する結果であり、非核化に向けた前提条件ではない。それにもかかわらず(文在寅〈ムン・ジェイン〉前政権が)終戦宣言を急いだ理由は何だろうか」と疑問を呈した。尹大統領は6月28日に自由総連盟で行った演説で「反国家勢力は北朝鮮に対する国連安保理制裁の解除を訴え、国連軍司令部を解体する終戦宣言を歌にしてこれを歌いながら回っている」と批判した。
この幹部は「国連軍司令部が終戦宣言により解体されれば、北朝鮮が南侵した時に国連は自動的に介入できなくなり、逆に国連安保理常任理事国の中国やロシアが北朝鮮を支援できるようになる」「非核化が実現する前に終戦宣言を主張することは、韓国の安保レバレッジを極度に弱体化させるものだ」とも説明した。与党・国民の力の金起炫(キム・ギヒョン)代表もフェイスブックを通じ「共に民主党が過度に騒ぎたてることは理解しがたい」とした上で「薄っぺらい宣伝扇動のテクニックではファクトに基づく真実の力には勝てない」と批判した。
共に民主党はこの日も尹大統領の発言を批判した。共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は党の会議で「国全体が極右に変化しているようだ」「極右発言、極右政権、極右大統領まで、国が本当に心配だ」と発言した。李代表は「国民の葛藤や対決をあおり、政治的利益を得ようとする考えは捨てるべきだ」とも主張した。同党の李洛淵(イ・ナギョン)元代表も尹大統領の発言について「本当に危うい暴力的な言動だ」「大統領が公式行事で『反国家勢力』という言葉を一般的に口にできると考えるなら、それも大変なことだ」とフェイスブックで批判した。李洛淵氏はさらに「終戦宣言を推進したから『反国家勢力』とされるのなら、南北間や朝米間の合意も全て否定し、これを犯罪とでも言いたいのだろうか」とも指摘した。
崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者、ウォン・ソンウ記者