「強力な電磁波で私の体が揚げ物になりそう♪」 共に民主の替え歌に見るTHAAD脅威扇動史

 韓国・慶尚北道星州郡にある在韓米軍の終末高高度防衛ミサイル(THAAD)基地に対する環境影響評価の結果、「レーダーの電磁波で被害が出る」という主張が事実無根であることが明らかになり、過去に共に民主党が行ったTHAAD反対デモが批判を浴びている。

【表】THAADを巡るデマの数々

 国防部と環境部は21日、星州THAAD基地に対する環境影響評価を承認したと発表した。評価項目はレーダー電磁波、空気質、水質、土壌、生態、騒音、振動、電波、景観などで、全項目で問題なしという判定が出た。

 特に電磁波は測定最大値が人体保護基準である1平方メートル当たり10ワットの530分の1(0.189%)の0.018870ワットにとどまった。2017年の臨時配備から基地建設のための行政手続きが終了したのに6年を要したことになる。文在寅(ムン・ジェイン)政権当時はTHAADに対する環境影響評価を先延ばしにしてきた。これまで基地に物資を搬入できず、巨額の費用ロスが発生した。

 インターネット掲示板などには22日までに、当時民主党議員たちが参加したデモの映像や写真が再び掲載された。そうした資料はTHAAD反対派が開設したフェイスブックのアカウント「星州THAAD配備撤回闘争記録室」に今もそのまま残っている。

 孫恵園(ソン・ヘウォン)、表蒼園(ピョ・チャンウォン)、蘇秉勲(ソ・ビョンフン)、朴柱敏(パク・チュミン)、金漢正(キム・ハンジョン)の各氏ら当時の民主党議員は2016年8月、慶尚北道星州郡で開かれたろうそく文化祭に出席し、THAADに反対する立場を公式に表明した。

 議員らは集会でかつら姿で踊りながら大衆歌謡を替え歌にした「THAADデマソング」も歌った。

 トロット歌手テ・ジナの「サランウン・アムナ・ハナ(恋は誰でもできるのか)」の替え歌では「THAADは誰でも撃つのか 一度聞いてみよう」と歌った。歌手パク・サンチョルの「無条件」の替え歌は「THAADに反対する時は私を呼んでくれ いつでも駆けつけるさ」という歌詞だった。

 女性歌手イン・スニの「パミミョン・パムマダ(夜な夜な)」は「夜な夜なTHAADの電磁波が嫌だ 強力な電磁波の下で私の体が揚げ物になりそうで嫌だ」という替え歌にされた。

 デモ会場の外でも、民主党関係者らがTHAADに関する一方的な主張を展開した。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は城南市長時代の16年7月、フェイスブックに「THAADレーダーの電磁波は人体に致命的な影響を与えるとされている」と書いた。

 秋美愛(チュ・ミエ)元民主党代表は最高委員時代だった15年6月、党の会議で朴槿恵(パク・クンヘ)元大統領の訪米に触れ、「半径3.5キロ以内に人が通れないほど強力な電磁波が発生するTHAADを受け取るための訪米ならば、訪米目的をはっきりすべきだ」と発言した。

 当時の民主党によるTHAAD反対デモが今起きている福島原発汚染水反対キャンペーンとそっくりだとの批判もある。大多数の科学者が福島からの汚染水放出は危険ではないと説明する中、大々的な汚染水放出反対キャンペーンを展開しているからだ。

 国会農林畜産食品海洋水産委員長を務める民主党の尹在甲(ユン・ジェガプ)議員は、20日から汚染水放出に反対するハンストに突入した。同党の金容民(キム・ヨンミン)議員は汚染水放出に反対し、21日から1カ月間、南海岸一帯を徒歩で回っている。

 与党国民の力の金起ヒョン(キム・ギヒョン)代表は22日、国会での党最高委員会議で、「とんでもない悪質なデマを歌にまでしていた人々が出世を繰り返し、いまだに民主党で堂々と活動している」とし、「民主党はこれまでこんなとんでもないデマで国民を扇動した罪を告白し、国民の前で許しを求めて当然だ」と述べた。

 金代表はまた「民主党による相次ぐデマに全く根拠のないことが立証されたにもかかわらず、民主党は依然としてデマという麻薬中毒のせいで、反省どころか、さらに麻薬漬けになっている」とし、「突然徒歩巡礼したり、ハンストしたりと本当にさまざまな議員がいる。(総選挙で)再び公認を受けるため、デマ拡散を争う姿は実に情けない」とも批判した。

 国民の力の鄭宇沢(チョン・ウテク)国会副議長は同日、フェイスブックを通じ、「民主党のデマ恐怖政治で韓国最大のマクワウリ産地である星州地区の農民だけで数百億ウォンの損害を受けた。民主党は非科学的な迷信、デマ恐怖政治に寄生し、依然として議会で多数を掌握し、勢力を得ている」と述べた。

キム・ミョンイル記者

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  • ▲2016年当時、民主党議員が慶尚北道星州郡でかつら姿で踊りながら大衆歌謡を替え歌にした「THAADデマソング」を歌っている。/フェイスブック「星州THAAD配備撤回闘争記録室」より
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