医学的質問に対し、チャットGPT( 生成AI〈人工知能〉)と医師が出したそれぞれの回答を比較してみた結果、チャットGPTが出した回答の方が情報の質や共感度など、さまざまな面でより優れているという研究結果が発表された。
米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)クアルコム研究所の研究チームは、人工知能(AI)の秘書が医学分野でどのような役割を遂行できるのかについて調べるために、チャットGPTと医師による回答をそれぞれ比較分析し、米国医師会雑誌(JAMA)「JAMA内科学」の最新号に掲載した。
研究チームは、オンライン・コミュニティー「Reddit」の「AskDocs」という掲示板にアップされた質問の中から195個をランダムに選び出した。AskDocsとは、約45万2000人に上る会員が医学的な内容に関する質問を掲載すると、医師免許を持った専門家たちが答えてくれる空間だ。
研究チームは195個の質問と回答を、3人の医療専門家にブラインド形式で示し、専門家たちはそれぞれの回答に対して「どの回答がより素晴らしいか」「情報の質」「共感度」の三つの項目で評価した。その結果、全専門家の評価のうち79%が医師による回答よりもチャットGPTによる回答の方が優れていたと回答した。情報の質もチャットGPTの方が「優秀」か、「非常に優秀」だという回答が医師より3.6倍も高く、共感度もチャットGPTの方が医師より9.8倍も高かった。
研究チームは、医師が患者中心の診療に向けたオーダーメード型の医療助言をAIから受けることができ、AIが直接患者と疎通する役割も遂行することができるとする見方を示した。特に新型コロナウイルス感染症を経験したことで、リモートによる診療が増えているだけに、AIが医師の負担を大幅に軽減することができる、と期待を寄せた。論文共同著者のアダム・ポリアク教授は「医師を完全に追い出してしまうのではなく、医師がAIを活用することが患者の共感をよりうまく引き出すことのできる方法」と明らかにした。
ファン・ギュラク記者