共に民主・宋永吉前代表「韓国で使用していた携帯電話、フランスで捨てた」

共に民主党の現金入り封筒疑惑、姜来求容疑者拘束で捜査急ピッチ

共に民主・宋永吉前代表「韓国で使用していた携帯電話、フランスで捨てた」

 韓国検察当局は2021年の共に民主党大会での現金入り封筒ばらまき疑惑で中心的存在で元韓国水資源公社常任監査委員の姜来求(カン・レグ)容疑者を拘束後、急ピッチで捜査を進めている。

【表】共に民主現金入り封筒疑惑録音ファイル、宋永吉前代表に関する部分

 ソウル中央地検反腐敗捜査2部は9日、姜容疑者の取り調べを行った。検察は勾留した被疑者を起訴するまで最長20日間捜査できる。姜容疑者は2021年3月から5月にかけ、尹官石(ユン・グァンソク)、李成万(イ・ソンマン)国会議員、李ジョン根(イ・ジョングン)元民主党事務副総長らと共謀し、当時の宋永吉(ソン・ヨンギル)党代表候補を当選させるために金品9400万ウォン(約960万円)をばらまいた疑い。姜容疑者は資金の伝達を一部認めながらも、全般的には否認しているという。

 検察は姜氏の調べを進め、共犯の尹、李両議員にも捜査を拡大する計画だ。検察は現在、両議員の出頭日程を調整しているが、早ければ来週にも出頭が見込まれる。その後は宋永吉元民主党代表にも出頭を求めて取り調べる方針だ。

 これに関連し、検察は姜容疑者の「スポンサー」と名指しされた実業家K氏から「党大会前に宋前代表の元補佐官P氏に数千万ウォンを渡した」という証言を確保したもようだ。その資金は党大会当時ばらまかれた9400万ウォンの一部とされる。検察は当初、姜容疑者がK氏などから8000万ウォンを調達したとみていたが、K氏は「姜容疑者を通さずにP氏に直接カネを渡した」と証言しており、検察が真偽を調べている。

 一方、昨年12月にパリ経営大学院での訪問研究教授活動のために出国し、今年4月に現金入り封筒疑惑が浮上すると予定を繰り上げて帰国した宋前代表は、過去に韓国で使っていたスマートフォンをフランスで廃棄したという。宋前代表はまた、フランスで大学が提供したスマートフォンを使用し、帰国の際に返却し、帰国直後に新しいスマートフォンの使用を開始したという。宋前代表はそのスマートフォンを4月30日検察に提出したが、連絡先や通話内容などが全て削除された状態だった。

 宋前代表は本紙の電話取材に対し、「フランスでは韓国の国内回線を維持する必要がなく、出国直後、それまで使っていた携帯電話を解約して捨てた」とし、宋前代表が検察の捜査対象となるかなり前の昨年12月に廃棄したもので証拠隠滅ではないと主張した。

兪鍾軒(ユ・ジョンホン)記者

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