■赤字幅縮小は好材料、見通しは不透明
14カ月連続の貿易赤字を出したものの、赤字規模が縮小したことは好材料的だ。貿易赤字は1月の125億ドルから2月と3月にはそれぞれ53億ドル、46億ドルに縮小し、4月には26億ドルまで減少した。月間貿易赤字が20億ドル台となるのは昨年6月以来初めてだ。
貿易赤字拡大の原因だった国際エネルギー価格が安定した結果と言える。4月の品目別エネルギー輸入額は、原油(30.1%減)、ガス(15.5%減)·石炭(21.1%減)で、エネルギー輸入は全体で25.8%減の109億ドルにとどまった。このため、輸入全体も10%以上減少した。しかし、エネルギー輸入は依然として過去10年間の平均に比べ19億ドル多い。エネルギーを除いた輸入額も半導体(16.0%減)、鉄鋼(12.8%減)など中間財を中心に9.2%減少した。
輸出見通しは依然として不透明だ。4月は半導体、ディスプレーなどIT製品をはじめ、石油製品、石油化学、鉄鋼など15大輸出品目のうち自動車、船舶、一般機械を除く12品目で輸出が軒並み減少した。地域別でも欧州連合(EU)、中東向け輸出がそれぞれ9.9%、30.7%増加したが、中国、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けは20%台の減少だった。
現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「中国経済がコロナ後にオープンしたことで消費は回復したが、現地企業はまだ以前の体力を回復できずにいる」とし、「今夏以後、韓国輸出にも恩恵が期待されるが、中国の不動産市場が不安を示しており、具体的な回復時期はもう少し推移を見守る必要がある」と話した。
趙宰希(チョ・ジェヒ)記者