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韓国の中央選挙管理委員会が北朝鮮の偵察総局を含む計8件のハッキング攻撃を受けたにもかかわらず、国家情報院のセキュリティー点検勧告を拒否していたことが分かりました。独自のシステムでも外部からのハッキングを十分に遮断しているというのが拒否理由だといいますが、容易に納得できません。北朝鮮はなぜ選管のハッキングを試みたのか。韓国の選挙に影響を及ぼそうとしたのではないか。さもなくば、韓国社会に不正選挙論争を起こすことを狙ったのか。選管はなぜ国家情報院の勧告を拒否したのか。さまざまな疑問が一気に噴き出します。チェ・ミンシク記者が取材しました。
【TV朝鮮ニュース動画】韓国選管、北に7回ハッキングされてもセキュリティー点検勧告を拒否
(記者リポート)
国家情報院が把握した中央選挙管理委員会に対するハッキングの試みはこの2年間で計8回ありました。与党関係者は「国家情報院がハッキング攻撃を把握し、選管に通報した。そのうち7件は北朝鮮の偵察総局傘下のハッカー組織『ラザルス』によるものだった」と述べました。
ラザルスは今年4月、韓国に対する大規模なサイバー攻撃を準備していて、セキュリティー当局に摘発されましたが、当時韓国の公共機関と民間企業のコンピューター207台がハッキングされました。
(パク・ヒョンジュン警察庁先端セキュリティー捜査係長、4月18日)
「ラザルスは北朝鮮の偵察総局が背後にあるとされています。(主に)金銭を奪ったり、DDoS攻撃などを(仕掛けたりします)」
(記者リポート)
ラザルスは2014年の米ソニーピクチャーズに対するハッキング事件、17年のランサムウエア「WannaCry(ワナクライ)」騒動の背後にある存在とされています。
国家情報院と行政安全部は今年3月、選管が攻撃対象になったとみてセキュリティー点検を求めましたが、選管は拒否しました。
与党は「総選挙を1年後に控えた時期に北朝鮮が選管のハッキングを繰り返し試みているのは深刻な問題だ」との立場です。
選管は「憲法上、独立機関である選管が行政安全部、国家情報院のセキュリティーコンサルティングを受ければ、政治的中立性を巡る論議を呼びかねない」と釈明しました。TV朝鮮のチェ・ミンシクがお伝えしました。
(2023年5月3日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)