配膳ロボット・AI予約…日本市場に食い込む韓国スタートアップ企業

 記者は先ごろ、東京・渋谷にあるブランチカフェを訪れた。入店すると腰ほどの高さの配膳ロボットが近づいてきた。ロボットの頭上にはメニューが置かれており、座席まで案内してくれた。スマートフォンで遠隔注文をすると、約3分後に配膳ロボットがコーヒーとケーキを運んできてくれた。店内では10台余りの配膳ロボットが忙しく動き回り、客がしきりに写真に収めていた。20卓を超えるテーブルがあるカフェは来店客でにぎわっていたが、フロア担当の従業員は3人だけだった。

【表】日本国内のスタートアップ投資状況

 このロボットは韓国のスタートアップ、ベアロボティクスが日本のソフトバンク傘下のソフトバンクロボティクスと提携し、日本市場向けに発売した配膳ロボット「Servi(サービィ)」だ。ベアロボティクスは2019年、ソフトバンクの孫正義会長の前でロボットを披露し、日本ロボット市場を共同で開拓することになった。ロボットの開発と製造をベアロボティクス、日本国内での販売・サービスはソフトバンクが担当している。ベアロボティクスの創業者ハ・ジョンウ代表は「2021年に販売を開始したが、求人難と高齢化を体験している日本市場で問い合わせが急増している。日本国内の配膳・配達ロボットではトップシェアだ」と話した。

■韓国のスタートアップ技術ならOK

 ロボット・人工知能(AI)といった新技術を武器に日本市場に食い込む韓国のスタートアップが続々と登場している。オルガナイズ、メガゾーンクラウド、カーフリックス、アジャイルソーダ、メタスケールなどだ。AIチャットボット、AI予約システム、クラウド運営技術、無人レンタカー管理技術といった日本にはまだ存在しないか、日本企業をリードした技術を提供するスタートアップが急速に市場を掌握している。韓国で大きな成功を収めた「配達の民族」やクーパンが日本市場で失敗し撤退したのとは対照的だ。グローバル・ブレイン、ソフトバンク、Zベンチャー・キャピタルなど日本の有名ベンチャーキャピタルも韓国のスタートアップへの投資に積極的だ。米プライベートエクイティーファンド、ゼノンパートナーズのアジア総括パートナー、イム・サンウク氏は「これまで韓国のスタートアップは日本進出から5-10年持ちこたえて成果を上げたが、最近では韓国のスタートアップの技術力さえ検証されれば、提携意思を表明する日本企業が増えている」と話した。

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  • ▲2021年に日本に進出した韓国のロボットスタートアップ「ベアロボティクス」の配膳ロボット「Servi(サービィ)」 /ソフトバンクロボティクス
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