これに先立ち、ウェスチングハウスは昨年10月、韓国水力原子力の韓国型原子炉輸出差し止めを求め、ワシントンの連邦地裁に提訴した。ウェスチングハウスは「韓国型原子炉に自社の技術が採用されており、原発輸出には米政府の許可が必要だ」と主張している。韓国水力原子力がウェスチングハウスとの対立を円満に解消しなければ、今後の原発受注戦でもぎくしゃくした状況が続くとみられる。
■韓国を手懐けようとする米国
ウェスチングハウスによる提訴と米政府による書類差し戻しについて、韓国原発業界は世界最高水準の韓国原発業界をけん制する狙いがあると受け止めている。1979年のスリーマイル原発事故以後、30年以上原発建設経験がなく、中核技術以外は事実上「殻だけ」となったウェスチングハウスとしては、過去40年間国内外で原発建設と運営ノウハウを蓄積してきた韓国の原子炉が目障りになった。チェコに先立ち、ポーランドの原発でも韓国水力原子力はウェスチングハウスと受注競争を繰り広げた。当初米国とポーランドによる協定で、国家事業ではウェスチングハウスが選定されたが、韓国水力原子力も民間発電最大手であるZEPAKと原発2-4基の建設に向けた意向書を締結した。
原発業界関係者は「原発を受注しても施工能力が劣るウェスチングハウスが韓国企業を下請け業者にするためにけん制に乗り出した可能性もある」とし、「米国とウェスチングハウスが世界原発産業で占める地位を考慮した場合、円満な問題解決が必要とみられる」と話した。韓国水力原子力も「米エネルギー省の勧告を受け、ウェスチングハウスと協議を進めている」と発表した。中央大エネルギーシステム工学部の鄭桐旭(チョン・ドンウク)教授は「今月の訪米で尹錫悦大統領が原発輸出を議題に取り上げ、相互協力を強化する必要がある。原発産業の特性上、政府首脳同士で解決しなければならない問題が多い」と指摘した。
趙宰希(チョ・ジェヒ)記者