日帝徴用問題の解決策として韓国政府が提示した「第三者弁済」の財源を準備している行政安全部(省に相当)傘下の日帝強制動員被害者支援財団(沈揆先〈シム・ギュソン〉理事長)に各界からの寄付が相次いでいる。とりわけ1965年の韓日請求権協定で恩恵を受けた鉄鋼最大手ポスコは15日に40億ウォン(約4億1000万円)を財団に納付し、これにより第1次の財源が確保された。
ポスコは15日午前「過去に財団に100億ウォン(約10億円)を寄付するとした約定に基づき、まだ納付していない40億ウォンを自発的に支払うことにした」と説明した。ポスコは2012年に取締役会の決議を経て財団に100億ウォンの支払いを約束し、16年と17年に30億ウォン(約3億円)ずつ合計60億ウォン(約6億1000万円)を支払った。同じく韓日請求権協定で恩恵を受けた通信大手KTも「支払いを積極的に検討する」とコメントした。
これに先立ち韓国駐在の米国企業800社が会員となっているAMCHAM(駐韓米国商工会議所)は14日午後、財団に寄付金の支払いを完了したことを明らかにした。今月8日にAMCHAMのジェームス・キム会長は「歴史的な合意を歓迎する」として寄付の意向を表明してからわずか1週間だ。具体的な額は明かされていないが、かなりの額だという。またAMCHAMは会員企業にも寄付を呼びかけているため、企業からの個別の寄付も今後行われる見通しだ。10日にはソウル大学総同窓会(キム・ジョンソプ会長)が1000万ウォン(約100万円)を寄付したが、姉妹血縁を締結している東京大学校友会にも参加を求める計画だという。日本の参加を促すためだ。
大法院(最高裁判所に相当)で確定判決(3件)を受けた15人の被害者と遺族らへの判決金は遅延利息まで合わせると約40億ウォン(約4億1000万円)に上る。財団はポスコからの寄付などで当面必要な資金は確保しているという。韓国政府は「現在裁判中の訴訟で徴用被害者が勝訴すれば、判決金と遅延利息を支払う」としている。現在徴用関連の訴訟約60件で裁判が進行中だが、財団は判決金の支払いに約140億ウォン(約14億円)が必要になると予想している。韓日首脳会談後に韓日関係が一気に正常化すれば、日本企業の参加も可能になると期待されている。
キム・ウンジュン記者