両親亡くした生後3カ月の乳児も1人で死闘…シリアの病院の惨状

医療従事者も死傷者多数で人手不足

 (アンカー)

 被害規模はトルコの方が大きいですが、内戦という苦しみの中、地震の被害にまで遭っているシリアの状況はさらに惨たんたるものです。国際社会の支援が必要な時に届かず、生存者たちも劣悪な環境にさらされています。医師にまで犠牲者が出ている病院では、生後3カ月の乳児も1人で死と闘っていました。

 パク・サンジュン記者がお伝えします。

【TV朝鮮ニュース動画】両親亡くした生後3カ月の乳児も1人で死闘…シリアの病院の惨状

 (記者リポート)

 小さな手と足が微動だにしません。全身には医療用テープが巻かれており、酸素呼吸器に頼ってかろうじて呼吸しています。

 地震で両親を亡くした生後3カ月の乳児が1人で死と闘っています。

 負傷者らがひっきりなしに病院に集まってきますが、治療できる医療従事者も大幅に不足しています。

 (カマル・ジャラフ氏 /ジャブラ国立病院整形外科長)

 「ジャブラ国立病院の医療従事者の多くもがれきの下になって息絶えました」

 家族ががれきの下になっていても、生存者の治療に当たっています。

 (アブデルバセット・カリル氏 /ハリム病院麻酔科看護師)

 「建物が完全に崩壊し、妻と娘ががれきの下になっています」

 反体制派が掌握している北西部地域は十数年間続いている内戦により医療体制が崩壊しており、基本的な手術道具さえありません。

 (アマド・アラブド氏 /シリア・アメリカン医療協会)

 「医療機器が不足していて、多くの患者が亡くなりました。機器さえあれば、より多くの人を救うことができました」

 救援団体の支援が集まっているトルコとは違い、これまで救援物資を積んでシリア入りしたトラックは合計52台に過ぎず、届いた物資も既に底を突いています。

 シリア政府は遅ればせながら「北西部の陸路2カ所を開放する」と言いましたが、反体制派はこれより前、政府軍を通じた支援を拒否すると表明しています。

 そうした間にシリアでの死亡者は大幅に増えており、過酷な衛生環境でコレラなどの感染症の発生・拡大も懸念され、人道的支援が急がれる状況です。

 テレビ朝鮮のパク・サンジュンがお伝えしました。

(2023年2月14日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)

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