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2023年2月8日は大韓民国の憲政史に「国務委員弾劾訴追」という新しい記録を残した日となりました。民主党をはじめ野党3党が提出した李祥敏(イ・サンミン)行安部長官に対する弾劾訴追案が国会で可決されました。無記名投票だったため、各議員の賛否は不明ですが、野党から離脱票はほとんど出なかったもようです。野党は「すべての過ちは、必ず正しい道理に帰する」と評し、与党と大統領室は「議会主義を捨てた暴挙」だと主張しました。歴史がそれをどう評価するかはまだ分かりません。そして憲法裁判所による最終判断も残っています。ただ、いずれも譲歩しないという韓国政治の現状は明らかになりました。政争はさらに激化し、民生問題が外に追いやられる可能性が高くなりました。その歴史的現場からお伝えします。
【TV朝鮮ニュース動画】韓国野党3党が提出した行政安全部長官弾劾案、賛成179票で可決
(記者リポート)
李祥敏(イ・サンミン)行政安全部長官に対する弾劾訴追案の国会本会議での採決に先立ち、与党は「弾劾案を法制司法委で先に調査すべきだ」と主張しましたが、野党は激しく反発しました。
(宋彦錫=ソン・オンソク=国民の力院内代表)
「論理も法理も最初から無視してひとまずたたこうという荒唐無稽な政治攻勢ではないことを願います」
「『弾除け』と何の関係があるんですか。提案の説明をしに来たんですよね」
(記者リポート)
結局法制司法委での調査は行われず、野党は直ちに李長官に質疑発言の機会も与えないため、弾劾案採決を強行しました。
(陳聲準=チン·ソンジュン=共に民主党院内首席副代表)
「(これまで)4回の弾劾訴追案処理時も他の案件に優先して処理…」
(やじ)
「ひったくり同然だ!」
(金勝源=共に民主党法律委員長)
「遺族の意思に従い、犠牲者一人ひとりの名前を呼びます」
(記者リポート)
採決を控えて、野党は梨泰院事故の犠牲者の氏名まで呼び、弾劾案の必要性を強調し、結局弾劾案は賛成179票で可決されました。民主党は離脱票はなかったと評価しました。
(金振杓=キム・ジンピョ=国会議長)
「賛成179票、反対109票、無効5票。よって行政安全部長官・李祥敏弾劾訴追案は可決…」
(朴洪根=パク・ホングン=院内代表)
「我が党の議員はほぼ例外なく李祥敏長官の責任を国民に代わって問うことに賛同した」
(記者リポート)
憲政史上初めて国務委員に対する弾劾案が可決され、李長官の職務は停止され、行政安全部は次官による代行体制で運営されます。TV朝鮮のシン・ユマンがお伝えしました。
(2023年2月8日放送 TV朝鮮「ニュース9」より)