昨年11月に中国北京でいわゆる「白紙デモ」が起こったが、これに参加し逮捕された20代女性が逮捕直前に撮影したとみられる動画が今月16日にSNS(交流サイト)にアップされ、大きな反響を引き起こしている。
北京大学出版社で編集の仕事をしていたこの女性(26)は逮捕直前の先月24日よりも前にこの動画を撮影した。白紙デモに参加していた同僚が警察に次々と逮捕されたため、自分も逮捕されると直感したからだ。
動画によると、女性は昨年11月24日に新疆ウイグル自治区ウルムチで起こった高層マンション火災の犠牲者を追悼するため、火災発生から3日後の白紙デモに参加したという。
火災は白紙デモのきっかけになった。コロナの厳しい感染対策で通りのあちこちにバリケードが設置され、これが消火作業の妨げとなり罪のない市民が犠牲になったとの疑惑が浮上したからだ。
女性はデモから3日後に自分と友人たちが警察で「教育」を受けさせられ、24時間後に釈放されたと伝えた。しかし友人たちは再び逮捕されたという。
「罪名の欄が空白の逮捕状に署名して、収監の場所や日時、罪名も知らされなかった」と女性は訴えた。
女性は動画の中で「私たちは追悼現場で秩序を守りながら何の衝突も起こさなかった」「なぜ私たちを一切何も知らせず連行するのか、報復はなぜ平凡な若者の人生を代償にしようとするのか」と訴えた。
現在女性の行方は伝えられていない。
中国国内の人権問題を扱うある団体は「白紙デモ参加者のうち少なくとも100人以上が拘束されたと推定している」との見方を伝えている。
パク・サンジュン記者