ドローンの目と捜索犬の鼻…行方不明の徘徊高齢者、24時間後に発見 /慶南・山清郡

 元日に外出し行方不明になった認知症高齢者を韓国警察のドローンチームが24時間後に発見した。警察のドローンチームは2020年から全国17の特別市・広域市・道の各警察庁に設置されており、各警察庁は6-8台のドローンを保有している。

【写真】ドローンと捜索犬で行方不明者を発見、救助した捜査員たち

 慶南警察庁は4日、「慶尚南道山清郡で外出後に行方不明になった認知症高齢者(83)をドローンチームと救助犬の合同捜索隊が救助した」と発表した。警察によると、今月1日午後6時20分ごろ「認知症の父が家に帰らない」と娘(47)から通報が入った。父はこの日午前11時48分ごろ「病院に診察を受けに行く」と言って自宅を出てから夜になっても帰宅しなかったという。

 通報を受けた山清警察署刑事チームと周辺の交番に勤務する警察官らが山清邑周辺を捜索したが、夜になったため捜索はいったん打ち切られた。その後山清警察署は慶南警察庁に支援を要請し、慶南警察庁は翌2日に警務企画情報化装備課装備管理係所属のドローンチームを現場に派遣した。ドローンチームはリーダーと隊員2人の3人からなり、隊員2人はドローン特別採用で警察官になった。慶南警察庁ドローンチームは2018年に全国で初めて試験運用を開始し、2020年から正式に発足した。昨年までに合計14人の行方不明者を発見・救助してきた。

 2日午前10時ごろ、重さ13キロの大型ドローンが150メートル上空から捜索を開始した。最大30倍ズームでも画質が鮮明な光学カメラと夜間でも使えるサーマルカメラが設置されたこのドローンは1機の価格が約6000万ウォン(約630万円)だ。ドローンによる捜索開始から約1時間後の午前11時ごろ、空から捜索していたドローンのカメラが山清邑の橋の下にある草むらで人影を発見した。ドローンチームは地上の捜査員に周辺の捜索を依頼し、慶南警察庁科学捜査隊所属の採取証拠犬チームが直ちに捜索を開始した。2歳の雌のラブラドルレトリーバー「ブラック」が急な坂と草の間を駆け抜けドローンチームの指定した現場に向かったところ、午前11時28分に落ち葉と茂みで体温を維持していた男性高齢者を発見した。高齢者にけがなどはなく、直ちに自宅に戻った。

 警察の関係者は「当時山清邑の気温はマイナス3度にまで下がっていたが、ドローンの『目』と捜索犬の『鼻』が、行方不明者を無事救出するに当たり大きな役割を果たした」とコメントした。

キム・ジュンホ記者

<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲行方不明者の捜索に使われたドローン/慶南警察庁
  • ドローンの目と捜索犬の鼻…行方不明の徘徊高齢者、24時間後に発見 /慶南・山清郡

right

あわせて読みたい