北朝鮮で韓国ドラマを視聴し、これを大量に広めた容疑で高校生3人が今年10月初めに処刑されていたことが分かった。北朝鮮は2020年12月に反動思想文化排撃法を制定し、これによって韓国の動画などを流入・流布した場合は最高で死刑に処すると定めている。しかしこの法律制定後も韓流がまん延しているため、警告の次元で未成年者を処刑したとみられている。
北朝鮮の内部事情に詳しい複数の消息筋によると、今年10月初めに中朝国境に近い両江道恵山市のある高校で男子生徒3人が韓国のドラマと米国のドラマを複数回視聴し、回りの友人にも広めたとして摘発されたという。上記の消息筋は「反動思想文化排撃法が制定されたので、範を示すため処刑して警鐘を鳴らせという中央からの指示に従い、高校生ではあったが処刑された」と伝えた。北朝鮮でも未成年者の場合は重大な罪を犯しても成人になるまで法律の執行を猶予するが、今回は違ったのだ。
北朝鮮の労働新聞によると、北朝鮮は今年9月に司法・検察・保衛・安全分野の担当者が平壌に集まって大会を開き、「反動思想文化排撃法」の厳格な執行について議論したという。法律が施行されているにもかかわらず、摘発後に罰金刑や労働鍛錬隊など軽い処罰が続いていることから、大会では法律の厳格な執行が求められたようだ。
ただそれでも北朝鮮住民は今も韓国のコンテンツを見ているという。社団法人の統一メディアが先月18日に発表した「2022北朝鮮住民による外部情報利用の実態調査」によると、当局の統制にもかかわらず『イカゲーム』『愛の不時着』など韓国ドラマや海外のコンテンツを見ているとの回答割合は96%に達していた。
キム・ミョンソン記者