韓国の「泰安油類被害克服記念物」、ユネスコ世界記憶遺産に登録

 「泰安油類被害克服記念物」が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録された。

 ユネスコ世界記憶遺産アジア・太平洋地域委員会は25日に第9回総会を開き、泰安油類被害克服記念物を世界記憶遺産地域版に登録することを決めた。文化財庁が26日に明らかにした。

 泰安油類被害は、2007年12月7日、忠清南道泰安郡沖でサムスン重工業所属のクレーン船と香港船籍の原油タンカー「ヘーベイ・スピリット号」が衝突した事故により発生した。この事故で1万2547キロリットルの原油が泰安沖で流出した。

 事故直後、ボランティア123万人が手作業で油を除去したことから、「泰安の奇跡」とも言われた。泰安油類被害克服記念物には油の除去過程で作成・記録された資料22万2129件が含まれている。

 毎日の状況を記録した日誌からボランティアによる復旧活動、国際協力、賠償・補償など、関連資料を網羅した文書21万5240件、写真5707件、口述記録93件、映像61件、刊行物4件、証明書3件、条約書1件などだ。

 ユネスコのアジア・太平洋地域委員会は、原油流出という大規模な環境災害に直面した官公庁や民間人がどのように協力・克服したかがこれらの記録物に詳細に掲載されていることを高く評価したとのことだ。

 一方、同委員会は今回の泰安原油流出事故関連記録以外に「三国遺事」と「内房歌辞」も地域版に登録することを決定した。これで韓国のアジア・太平洋地域版遺産は計6件に増えた。

ペ・ドンジュ記者

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  • ▲国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)アジア太平洋地域版に登録された「泰安油類被害克服記念物」の一部。写真提供=文化財庁

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