20日付日本経済新聞は、世界の住宅価格が高騰から値下がりに転じ、金融システム不安の予兆が見られ始めたと報じた。
日経は「世界で250兆ドル(約3京5000兆円)規模の市場が急収縮すれば、家計債務や金融機関への影響は避けられない」とし、各国中央銀行がインフレを抑制するため、利上げに動いたことを主因に挙げた。それに伴い、「東欧などでは金融システム不安の予兆も見られる」とし、住宅関連融資の割合が高い韓国経済にも赤信号が灯りかねないと警告した。
2020年にコロナ禍に対応するため、世界の中央銀行が超低金利政策を取り、住宅価格が急騰し始めた。経済協力開発機構(OECD)によると、加盟国の平均住宅価格は19年に比べ35%上昇した。
ところが、約40年ぶりのインフレに政策金利が急騰すると、住宅ローン金利も急激に上昇した。日経はUBSを引用して、主要25都市の2022年半ばの住宅ローン金利が1年前と比べ、2倍に跳ね上がったと伝えた。
このため、不動産バブルが深刻だったニュージーランドでは22年1月をピークに10月までに住宅価格が11%下落。スウェーデンでは3月のピークから9月までに11%下落した。米国、英国、ドイツなども下落を免れずにいる。
問題は巨額の資金が集中した住宅市場が動揺すると、家計や銀行も悪影響が避けられない点だ。英国の不動産サービス会社サヴィルズは、世界の住宅資産価値は20年基準で250兆ドルで、株式市場(約100兆ドル)の2.5倍に達すると試算した。
日経は住宅市場の低迷が最も危険な国として、可処分所得に占める債務の割合が200%に達する韓国を挙げた。韓国は過去5年間、マンション価格(全国平均)が2倍に跳ね上がり、所得水準に見合わない住宅担保ローンを組んだ世帯も少なくなく、融資の80%以上が変動金利であるため、利子負担の増加が一般家庭を直撃するというのが日経の分析だ。
ユ・ビョンフン記者