世界が不安の眼差しで見守っていた中国の大型ロケット「長征5B(CZ5B)」の残骸が、太平洋に落下した。
科学技術情報通信部(省に相当。科技情通部)は4日、「長征5Bの残骸は韓国時間で午後7時1分ごろ、南米西方の太平洋の赤道付近(南緯2.2度、西経114.1度)に最終的に落下したと、米宇宙軍の発表を通して確認した」と明かした。長征5Bは、中国が10月31日に宇宙ステーション(天宮)の実験室モジュール「夢天」を打ち上げるのに使用した大型ロケットだ。コアステージと呼ばれるロケット本体の長さ(22.5メートル)は10階建てのビルの高さに匹敵、重さも20トンに達し、残骸の落下を懸念した各国が軌道を追跡していた。コアステージが大気圏に再突入したら、摩擦熱によって大部分は燃えてなくなるが、残った破片が地上に落ちた場合、人命・財産被害をもたらしかねないからだ。
【写真】2020年3月、中国国内に落下した「長征3B」ロケットの残骸
今回、中国のロケットの残骸は海に落ちて被害はなかったが、中国に対する責任論を提起する国際社会の声は大きくなる見込みだ。今年7月にも長征5Bのコスアステージが制御不能の状態で地球に落下して世界が不安におののき、昨年5月にも中国の発射体がインド洋に落ちた。
2018年4月に中国の軌道上実験モジュール(天宮1号)が地球に落下した際には、韓国も墜落予想地域内にあり、政府が衛星墜落状況室を立ち上げて宇宙危険警戒警報を発令し、緊張した。
郭守根(クァク・スグン)記者