米エヌビディア・クアルコムが再び台湾TSMCに発注、韓国サムスンのファウンドリーはなぜ劣勢なのか

 顧客獲得戦で押され、サムスン電子とTSMCのファウンドリー市場におけるシェアの差はますます拡大している。台湾の市場調査会社トレンドフォースによると、今年第1四半期のTSMCのシェアは53.6%、サムスン電子は16.3%だった。サムスン電子がファウンドリー事業に本格参入した19年第1四半期には両社の差が29ポイントだったが、現在は37.3ポイントに広がった。

■後発走者サムスン、大規模な反撃へ

 TSMCは生産能力と歩留まりの両面で優位に立ち、世界の大口顧客を確保し、ファウンドリー業界の首位を守っている。ファウンドリーは決められた納期に約束された品質の半導体を支障なく供給する信頼が重要であり、後発走者であるサムスン電子が短期間にTSMCに追いつくのは容易ではない。現在サムスン電子の生産能力はTSMCの40%程度だ。半導体業界関係者は「サムスンはこれまでメモリー半導体とファウンドリーに投資を分散し、サムスンの社内受注割合も半分程度と高く、新規顧客を攻撃的に取り込むのは難しい側面がある」と話した。

 サムスンファウンドリー事業部がサムスン電子の内部組織であることも弱点だ。TSMCの魏哲家CEOはサムスンを念頭に「TSMCは商品を設計する能力があるが、絶対に自社製品を作らない」とし、「TSMCの成功はすなわち顧客の成功だが、ライバルはそうは言えないだろう」と述べた。「セキュリティー面でサムスンより安全だ」と主張したのだ。

 サムスン電子も3ナノメートル製造プロセスによる世界初の量産と米テキサス州タイラー市への大規模なファウンドリー工場を建設など、大々的な反撃を目指している。半導体専門家である韓国科学技術院(KAIST)の金ジョン浩(キム・ジョンホ)教授は「サムスンは最近、顧客としてグーグル、クアルコムを確保したと推定される」とし、「長期的にはファウンドリー市場でサムスンがTSMCと共にツートップの座を守るのではないか」と話した。

シリコンバレー=キム・ソンミン特派員、イ・ボルチャン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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