■少数株主を冷遇するムードが原因
これまでコリアディスカウントの主因として挙げられていたのは、北朝鮮の脅威など地政学的要因だった。しかし、専門家は少数株主を冷遇するムードがコリアディスカウントの最大要因だと指摘した。ソウル大学のキム・ウジン教授は「上場会社の利益が配当を通じて全てうの株主に比例配分されず、主に支配株主に帰属することが根本的な原因だ」とし「支配株主は高額の報酬、個人経営企業への集中発注、系列会社間の不公正な合併比率、横領、背任を通じた秘密資金づくりなどさまざまな方式で自分の持ち株比率を超える利益を詐取している」と指摘した。
資本市場研究院は、低い配当性向など不十分な株主還元方針がコリアディスカウントの要因の43%を占めていると分析した。韓国企業の株主還元性向は、分析対象45カ国で最下位だった。それに国内企業の低い収益性と成長性(36%)、少数株主の保護に脆弱な企業支配構造(14%)が続いた。
そのほか、会計の不透明性と短期投資性向、機関投資家の基盤不足なども原因として指摘された。資本市場研究院のナム・ギルナム上級研究委員は「韓国上場株式の外国人持ち株比率は、1999年が18.9%、2004年が40.1%、2022年7月には26.4%で、1999年以降で最低水準に低下した」とし、「外国人投資家は韓国市場に対する過度なアクセス制限と予測困難な規制方向なども問題点として指摘している」と分析した。
金融委員会のイ・ユンス資本市場政策官は「機関投資家は企業の支配構造が不透明で権限と責任が一致しない場合、さらに健全な圧力をかけなければならない。政府も政策の予測可能性を高め、国際的に整合が取れない規制や制度を改善している」と述べた。
ユン・ジンホ記者