【新刊】ハン・チョンホン著『チャイナ・ショック、韓国の選択』(サイドウェイ刊)
習近平は皇帝になろうとしている。従来の「2期10年」の慣例を破り、今年の秋に国家主席3期目を確定させようとしている。絶対権力。しかし、習近平は一体、毛沢東・トウ小平に比肩されるどんな業績を残したのか-という問いに行き当たる。「習近平にとって、自分の長期政権を事後であっても正当化し得るカードはたった一つしかない。誰もが予測するように、それは『両岸統一』カードだ」
中国と台湾の武力緊張が最高潮に達している現在、「実体的な脅威にして巨大なリスク」となった中国の胸の内をのぞき見た1冊。中国の夢の台頭を、著者は「習近平政権の自信の裏にある焦り」と分析した。二極化、人口減少、負債危機などで「金持ちになる前に、あまりに早く老いてしまう」現実が、強硬な対外政策をあおったというのだ。成長が限界にぶつかったときに動員される国粋主義や戦争のわな、それによる地政学的悪影響を前にして、韓国人の著者は「反中感情の爆発」に代わる「徹底して国益に基づいた超党派的コンセンサス」を訴えた。304ページ、1万7000ウォン(約1740円)
チョン・サンヒョク記者