2001年に起きた「大田国民銀行拳銃強盗殺人事件」で、事件直後に発見されたハンカチから検出されたDNAを粘り強く照合した結果、容疑者2人が21年後に逮捕された。
大田地方警察庁の未解決事件担当捜査チームは8月29日、強盗殺人の疑いでA容疑者ら2人を逮捕し、取り調べていることを明らかにした。A容疑者らは01年12月21日午前10時ごろ、大田市西区の国民銀行屯山支店の地下駐車場で現金を輸送していた銀行職員1人を拳銃で撃って殺害し、3億ウォン(約3080万円)を奪って逃げた疑いが持たれている。
21年後に容疑者を逮捕できたのは、事件直後に現場から約130メートル離れた建物の地下駐車場にあった犯行車両で発見されたハンカチのおかげだった。当時犯人は車両の爆破を試みたが失敗したため、警察は現場でハンカチを確保できた。ハンカチは容疑者が顔を隠すのに使用したとみられるもので、当時は何の痕跡も見つからず、警察に保管されていた。警察は2016年、事件を再捜査し、17年にハンカチの分析を国立科学捜査研究所に依頼した。:
18年になって、国立科学捜査研究所からDNAを発見したとの知らせが警察に舞い込んだ。ハンカチに付着していたごく少量のDNAを採取し、遺伝子増幅技術で固有の特性を発見したものだった。同研究所関係者は「今は細胞が100個未満でもDNAが確認できるほど技術が発展した。簡単に言えば一般人が手で物体を触れれば、その物体からDNAを検出す
警察はハンカチから検出したDNAを手掛かりに、ほぼ4年間容疑者を捜索した。国立科学捜査研究所のデータベースからはDNAが一致する容疑者が見つからなかった。そのため、警察は浮上した容疑者を一人ひとり探し出し、DNAを照合する作業を進めた。警察はうちA容疑者を最近数カ月間追跡し、A氏が賭博場に通っていることを突き止め、DNAを確保した。その後、DNAが一致することを点を確認し、25日に緊急逮捕した。警察関係者は「『ソウルでキムさんを探す』気持ちで容疑者を追いかけてDNAが一致する人物を特定した」と話した。
警察は事件発生翌年の02年8月、容疑者3人を検挙し、逮捕状を請求した。しかし、容疑者は「警察の拷問による虚偽自白だ」と主張し、明確な証拠もなかったため、証拠不十分などを理由に請求が棄却された。事件は2016年に公訴時効が成立するところだったが、殺人罪の公訴時効を廃止する刑事訴訟法改正案が2015年7月に施行されたことから、再捜査が可能となった。今回逮捕された2人は、過去に釈放された容疑者3人とは別の人物だ。警察は逮捕された2人以外に共犯と推定される他の人物についても捜査を進めている。
大田地方警察庁は30日、容疑者逮捕に関する公式会見を行う予定だ。また、容疑者の身元を公開するかどうかを決める身元公開審議委員会も開く方針だ。
キム・ソクモ記者